同業者メンバーの愛が重すぎる!!【wrwrd】 (ページ11)

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10.0_総統ページ11

「Aにはやっぱり士気を上げる為に戦争に参加して貰うめう！」

「マネージャー的な？」

　眼鏡のブリッジをカチャリと直したエーミールは、困惑の色を滲ませた視線をオレに向けた。

トントンも動揺しているようだし、
兄さんなんかは品定めするような眼付きになっている。止めて、そんなに僕を見ないで欲しい…。

　沈黙を護っている鬱と、状況理解を放棄してニコニコしているゾムは無害そのものだが、一番の懸念事項であるグルッペンが心底辟易したと言わんばかりに溜息を吐いた。

「だから…、何度も言わさないでくれ、オスマンよ」
「え、何かあっためう…？」

「Aは魔法が使えないんだ。故に皆で護ろうと結託したんだろう。それを攻撃魔法が飛び交うフィールドに近付けさせてみろ。茂みにさえ爆弾は遠慮無しにぶっ飛んで来るぞ」

「…」
「確かに、Aは人と触れることで魔力を蓄える事も、ありとあらゆる魔法を防ぐ技術だって持ち合わせている。だがそれじゃ意味が無い」

　グルッペンに鋭く睨まれ、オスマンは俯き肩を震わす。
　でもシャオロンは僅かに驚いた表情を浮かべ、チーノは眼を見開き、ショッピは面白いモノでも見付けたのか口角を上げた。

……いや、さっきまで猫みたいにゴロゴロ甘えてたのはどこの誰だよおいおい

「ふふ、アンタにもそんな感情持ち合わせてたんですね」

「何嗤ってるんだトントン気色悪い…」

「そのセリフ、そのままアンタに返しますわ」

　グルッペンの怒りの矛先がトントンに変わったが、当人は気にしてる素振りを見せなかった。

寧ろ何が面白いのか、ニマニマと笑みを湛えている。
「え、え？どういう事…？」
「つまりな、A」

　理解が追い付かない僕に、ゾムがすすっと近付き耳打ちする。
「グルッペンは、戦争には危険が伴うから反対だって言っているんだよ」
「…え？」
「そうかぁ、グルッペンはAの事を心配してたんやな！！」
　ニヤっと嗤ったゾムの背後から、ひょっこり顔を出したコネシマが朗らかに笑う。

「～！！ち、違うぞ！！俺はただ！」
　ダンッとグルッペンがテーブルを叩き付けた。頬を膨らませ唸っているが、その表情には明らかに動揺の色が見て取れる。

　え、マジ？あの我らが総統が、僕の身を案じていた…？

「あれぇ？グルッペン、焦るなんてらしくないなぁ？」
「ふふふ。それだけ挙動不審になれば肯定してるも同然ですよ、グルッペン？」

「んだと……！」

「は？！、あの傍若無人なグルッペンが！？他人を気遣うようになるなんて…！世界の終わりか？！！」