第30話 ページ31
『ん...』
少しの寝苦しさで目が覚めた。
起き上がろうとするも身体が動かない...
『ぇ...?』
「おはよぉA」
バッと布団から顔を出してギューッと抱きしめていたのは治くんだった。
『お、はよ。治くん...』
「Aが起きてなかったから抱きついたら起きるかなーって思って!」
そう、ここ何日からか、毎日のように朝、治くんは私の部屋に来ている。
ある時はソファで本を読んでたり、カメラを構えてこちらをじーっと見ていたり、
仕舞いには私の部屋に紐をかけじさつしようとまでしていた。
もはや鍵の意味は無いが、治くん以外が入らないようにと治くんからしっかり鍵を掛けるよう言われてる。
『着替えてくるね』
ベッドから降り、脱衣場で着替えようとすると、治くんに止められた。
「A、今日はこれ着て。森さんとお出かけだってさ」
そう言って服を渡された。
『お出かけ?』
「うん。ここ数ヶ月ずっと訓練ばかりだったでしょ?気分転換にだって。ほら、着替えてきて。」
そう言われ
脱衣場に行き、持たされた服に着替える
『お出かけ...か...』
少し不安だ...治くんと会うまでは外に出ることはほとんどなく、ここに来てからも出かけるなんてなかった。
ここに来て数ヶ月が経つ
訓練や習い事なども今では苦ではなくそこそこ出来るようになった。
最近では書類の作り方なども教えて貰っている。
今日は初めてのお出かけ、不安もあるけど楽しみでもある。
着替え終わり、リビングに戻る。
『治くん、着替え終わったよ』
「じゃぁ行こっか」
差し出された手を握る。
これはいつの間にか習慣になっていた。
ドアの前まで行き、ノックする
「森さーん?準備出来たよ。」
中に入り、森さんに声をかける。
森さんはいつもの服装だった。
「Aちゃんっ!!似合ってるよ!その服っ!やっぱりこれにして良かったよ!!」
そう言い急に抱きしめてきた。
治くんといい、森さんといい、二人共抱きつくのが好きなのだろうか...?
森さんにされるがままになってると今度は治くんが抱きついてくる
「Aは僕のだよ森さん。はなれて」
低く響く声。
ビクリと反応する。
腕を切った時...怒られた時と同じだ..
無意識に身体が強ばってしまった..
「Aも、こんな無防備なのはダメだよ。わかったかい?」
『う、ん...』
コクリと頷き、そっと治くんをみるといつもの治くんに戻っていた
「よし!じゃぁいこっか!ほら森さんもはやく!」
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氷翠(プロフ) - ゆんゆんさん» ありがとうございます!!はい!ちょっと今忙しくて、、余裕が出来たら更新します!気に入って頂けて嬉しいです!! (2019年7月8日 18時) (レス) id: 20ceb8a33c (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - 好きです!!ゆっくりでいいので頑張ってください! (2019年7月8日 14時) (レス) id: 924108a693 (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - 美雲さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年7月7日 21時) (レス) id: 20ceb8a33c (このIDを非表示/違反報告)
美雲 - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2019年7月7日 20時) (レス) id: 0e776977f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷翠 | 作成日時:2019年7月3日 21時