第七十一章 ページ21
日が暮れるのが速くなった。
以前よりも水を冷たく感じるようになった。
日の光を熱いと思わなくなった。
木を彩っていた葉が落ちてしまった。
そんな季節の、とある夜。
月に数回のトントンの部屋での仕事に勤しんでいた。
暗くなるのが速いので時間の感覚もまだ少しおかしいように思う。
私は机の向かい側で仕事をするトントンに視線を向ける。
前のように隣ではないのは、こっちの方が仕事の効率がいいから、らしい(トントン談)。
聞いたことないけど、トントンが言うのならそうなのだろう。
わからないことはあまり深く考えないようにする。
と、トントンのコップが空になっていることに気付く。
『トントン、飲み物淹れようか』
「んあ?……あぁ、頼むわ」
『……珈琲にしようか?』
今更ではあるけど随分と眠そうだ。返事も曖昧。
少しでも眠気覚ましになってくれればいいという思いで珈琲を提案してみる。
トントンはこくりと頷いた。……相当眠いんだろう。
今朝、こうなることを予想していた私は料理長から挽いた豆を貰っていた。
上質な、本物の珈琲だと言っていたから、きっと効くはずだ。
心の中で料理長に感謝を言いつつ、濃く淹れる。
見た目は真っ黒だが、香りは高い。
『はい、トントン』
「ん、ありがと」
資料の邪魔にならないような場所に置く。
置かれた珈琲をトントンはすぐに手に取った。
熱いよ、と声をかけるよりも早く彼は口にする。
「あっち」
『ご、ごめん。最初に言っとけばよかったね』
「いや、目ぇ覚めたわ。……にしても、この珈琲濃いな」
甘党ではないトントンでも流石にこれは苦かったようだ。
当たり前か。
私はデスクの方から角砂糖の入ったカップを持ってくる。
トントンは一つだけとって入れた。
……少なくないかな。
まぁ、無理に進めはしないので元の位置に戻してから私も仕事を再開した。
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リノ(プロフ) - 綾波夜見（自宅パソコン）さん» コメントありがとうございます。イラつく女を書くのは個人的に楽しかったです(笑)ありがとうございます！！ (2017年9月29日 21時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
綾波夜見（自宅パソコン） - イラーナさんにものすごくイラつきました←そして、そんな女にプレゼントしている鬱先生にも← いつも楽しく読んでいます！！更新のほう、無理しない程度に頑張ってください！！応援してます！！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 624c95f6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年9月6日 21時
