第九章 ページ9
賑やかな食堂。
いただきます、と軽い口調で聞こえる言葉。
私の前に座る二人も美味しそうに次々と食事を口に放り込んでいく。
どんどん無くなっていく食事。
私のだけが、一向に減らないままだった。
・
『(もぐもぐ)』
いくら何日も満足に食べていなっかったといっても胃袋の量というのは変わらないわけでして、ましてや私は元々そんなに食べないわけでして、そもそも私は女なわけでして。
……食べきれるわけないんです。
「ん、全然食ってないやん」
「あれ、もしかして嫌いなものあった？」
悪気の一切ない、キョトンとした表情で尋ねてくる二人。
『い、いえ大丈夫……です』
そんな雰囲気じゃ大丈夫としか言えないよ。
た、食べきるのに何時間かかるかな……。
そんな、諦めを通り越してチャレンジ精神が湧いてきた時。
「お前ら、何いきなりAいじめてんねん」
普通の量が入ったトレイを持ったトントンさんがやってきた。
明らかに引いてる。
「別にいじめてないで！！」
ロボロさんが必死に弁解しようと叫ぶ。
そうです、そうなんですよ。
悪気はないんです、善意なんです。
だから怒らず助けてください……！！
「無理せんでええよ。残ったら俺が食べたるから」
『あっ、ありがとうございます……！！』
私の隣に座りながら微笑んでくれるトントンさん。
安心感がすごくある。
しんぺい神さんとはまた違った安心感だ。
その様子を見てゾムさんが口を尖らす。
「えー、A細っこいし小さいからもっと食べな」
「女の子なんやからええやろ！」
和やか？な言い合いをみながら、私は食べれるだけ食べようと手を動かす。
料理はとても美味しかった。
戦争の多い今の時期でこんなに食材が豊富で美味しいなんて珍しい。
きっと輸入とかそういう外交が上手な人がいるんだろうな。
「あ、A」
『はい……？』
私のお皿から料理を取りながらトントンさんが名前を呼んだ。
「食べ終わったら俺の部屋に来てな。仕事教えたるから」
そう言われて、自分がトントンさんの補佐だったことを思い出す。
最初は怖そうで不安だったが、優しそうで安心した。
わかりました、と告げて再び料理を口に運んだ。
……とっても美味しい。
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リノ(プロフ) - 本田大和さん、ありがとうございます！様！？私の妄想に共感して下って嬉しい限りですー！！ (2017年9月3日 17時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
本田大和(プロフ) - きゃあああーーーっ！！リノ様の文章力で妄想が止まりませんｗｗ これから誰と絡んでいくのか楽しみで仕方がありません(＊ﾟ∀ﾟ)ｂ (2017年9月3日 10時) (レス) id: ed9a366666 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - 夏海さん、ありがとうございます！嬉しいですー！私自身、最初読み間違えたんですよ（笑）、 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - 話のテンポがすごく好きです。そして「ボロボロさん」には草を禁じ得ない笑 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 8f3bd46b36 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - リホさん、ありがとうございます！ありがちな話ですけど楽しんでいただければ幸いです！ (2017年8月29日 10時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年8月21日 13時
