第三十八章 ページ38
トントンside
グルッペンの部屋のベッドに酔いつぶれた馬鹿を下ろす。
ぐてーっとだらしなく横になった。
「……あんなに心配するんなら行かせんかったらよかったんちゃうか」
ぼそりと言ってみると、細々と返事が返ってくる。
「……もう少し、大丈夫だと思ってた」
その言葉の意味は察せる。
Aがミスをしないとか、そういうのじゃない。
……グルッペン自身の心境の問題だ。
「自分でも驚いた。あいつが閉じ込められたって聞いた時、頭が真っ白になって……普段通りのことが出来なくなって……」
「俺だって心配だったのに、あんたがそんなんだから冷静でいるしかなかったんやで。お陰で、って言うんかもしれんけど」
「言うほど冷静じゃなかったゾ。本を逆さまに読んでたやろ」
「……本なんて読んでました？」
ダメだこれ、と笑うグルッペン。
片腕で目元を隠しながら彼は溜息にも似た深呼吸をした。
そのまま寝そうだったからもう戻ろうかと思った時、口を開く。
「そう言えば、パーティーの招待状が届いてた」
「はよ言えアホ」
どんだけAの事で頭いっぱいやったんや……人の事言えんけど。
そのパーティーは大事なイベントだ。
一年に一度、すべての国の代表者、つまり国のトップが集まる。
することは交流会みたいなものだが、パーティーに来なかった国はほとんどの国から反感を買うという恐ろしいシステム付き。
毎年俺たちは幹部全員で行っている。
強制参加と自主性にわけるといざこざがあるため、最初から全員参加なのだ。
今年もそうなるんやろうけど……。
「Aも参加させるんか？」
「……そのつもりだ」
そう言いつつまたグルッペンは不安そうになる。
……あまのじゃくか。過保護なんかもしれんけど。
そして、今年はもう一つ。
「あの国も来るんやろ」
「あぁ。今までも来ていたからな」
Aに関係していると思われる二つの国。
そいつらに直接話を聞く、という目的がある。
Aについて何か手掛かりが掴めればいいが、望みは薄い。
彼女がどちらかの国に住んでいれば何か分かったかもしれないが。
「どっちの国もあんまりええ噂は聞かん。Aを連れていくなら十分な警戒が必要やで」
「言われなくとも。ひとりにはしないさ」
お互い過保護だな、と目を合わせて笑った。
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リノ(プロフ) - 本田大和さん、ありがとうございます！様！？私の妄想に共感して下って嬉しい限りですー！！ (2017年9月3日 17時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
本田大和(プロフ) - きゃあああーーーっ！！リノ様の文章力で妄想が止まりませんｗｗ これから誰と絡んでいくのか楽しみで仕方がありません(＊ﾟ∀ﾟ)ｂ (2017年9月3日 10時) (レス) id: ed9a366666 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - 夏海さん、ありがとうございます！嬉しいですー！私自身、最初読み間違えたんですよ（笑）、 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - 話のテンポがすごく好きです。そして「ボロボロさん」には草を禁じ得ない笑 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 8f3bd46b36 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - リホさん、ありがとうございます！ありがちな話ですけど楽しんでいただければ幸いです！ (2017年8月29日 10時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年8月21日 13時
