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第三十七章 ページ37

シッマに案内されたのは食堂ではなく、初めて入る場所。
ここは今日みたいに幹部だけで食事をするときに使われるみたいで、中は結構広いんやで、と教えてくれた。
総統と幹部だけの食事……いつもより空気が重かったりするのかな。
と少し思いながら扉を開けると。


「シャオちゃ〜ん♡」

「こっちくんな」

「トントンおかわりいる?いるよね?取ってきてあげたで!」

「……」

「あ、ゾム俺もいる〜」


そこにはいつもより賑やかな雰囲気のみんながいた。





美しく盛り付けられた食事。様々な種類のお酒。
それらを囲んで笑い合うみんなはお酒が回っているのか顔が少し赤い。
一足遅く来たシッマも酔ってるし、シャオロンはもう真っ赤。
私は明日の仕事に支障がないようにワインを少しだけ。
トントンもそのあたりを配慮しているらしく、みんなよりは飲んでいない。


「Aめっちゃ凄かったんやで!!」


離れた席にいるのにシッマの声がはっきり聞こえた。
私の事を自分の事のように自慢げに話している。恥ずかしいな……。


「A〜」


急に体が重くなったと思ったらグルッペンが抱きついてきた。
後ろからだから顔は見えないけど、香ってくるお酒の匂いがキツい。
……相当酔ってる。


『グルッペン、大丈夫?』

「ああ。全然大丈夫……」


声が眠そう。あんまり大丈夫じゃなさそうだな。
このまま寝られると私じゃ運べないから離れてもらって部屋に連れて行こう。


「あ、グルッペン何どさくさに紛れてくっついてんねん!離れろや!」

「……いいだろう別に」

「よくないわ!!」


いつ声をかけようか迷っているとゾムの相手をしていたトントンが気付いた。
グルッペンに怒鳴りながら襟を掴んで引きはがそうとする。
が、私を抱きしめる力が強くなる一方で全く離れない。


『グルッペ……』

「心配した。すごく」


耳元で聞こえた彼の声が、急に真剣になった。


「本当に……無事でよかった」


そう言って強く、優しく抱きしめられる。
私を行かせたのはグルッペンなのに変なの。こんなに心配してくれるなんて。
首に回されたグルッペンの腕にそっと触れる。
小さくありがとう、と伝えると、彼から一定の呼吸音が聞こえた。


「はぁ、飲み過ぎや。ったく……」

『手伝おうか?』

「いや、大丈夫。じゃ、部屋に連れて行ってくるわ」


寝てしまったグルッペンを背負い、トントンが部屋を出ていく。
その姿を見送り、再びみんなに視線を移した。

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リノ(プロフ) - 本田大和さん、ありがとうございます!様!?私の妄想に共感して下って嬉しい限りですー!! (2017年9月3日 17時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
本田大和(プロフ) - きゃあああーーーっ!!リノ様の文章力で妄想が止まりませんww これから誰と絡んでいくのか楽しみで仕方がありません(*゚∀゚)b (2017年9月3日 10時) (レス) id: ed9a366666 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - 夏海さん、ありがとうございます!嬉しいですー!私自身、最初読み間違えたんですよ(笑)、 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - 話のテンポがすごく好きです。そして「ボロボロさん」には草を禁じ得ない笑 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 8f3bd46b36 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - リホさん、ありがとうございます!ありがちな話ですけど楽しんでいただければ幸いです! (2017年8月29日 10時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リノ | 作成日時:2017年8月21日 13時

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