第三十六章 ページ36
私の住んでいた村にはルンズェとラギアから商人が集まり、とても賑わっていた。
村は両国の丁度間で、両国はお互いの国の特産品の売買を村で行っていたの。
貿易拠点って言ったほうがしっくりくるかもね。
金銭の回りもよくて、誰も損しなかった、って聞いたことがある。
でも、それは突然終わっちゃった。
ある時を境にルンズェとラギアの関係は険悪になって。
ついに戦争にまで及んだ。
何度かその被害は避けられたけど、一回とても大きな戦争があった。
流石にそれは被害を避けられなくて、村人のほとんどは……。
無事だった人たちも村のあった場合を離れて国に移り住んだ。
結果的に、私だけが村の近くに留まったの。
そこからはずっとひとりだったよ。
『……戦争だから、仕方ないよね』
「辛いこと思い出せてごめん……」
『ふふ、こんなこと言うとあれだけど、実は全然辛くないよ』
「……？」
『強がりとかじゃなくて……うん、なんていうかね』
私が言葉を濁すとオスマンは何かを探るように私を見る。
それがなんだか怖くて、結局私はその続きを言わなかった。
気になるめう！って言ってるけど、なんて誤魔化そうかな。
「オスマーン、ゆうしょ……あれ、A？」
『あ、シッマ』
ナイスタイミング。助かったよ。
オスマンに何か用事があるのかな、と思ったら私にも同じ内容の用事らしい。
「今日の夕食は幹部のみんなで食べるらしいで。Aもな！」
『……私も？』
「当たり前やろ！前の作戦で活躍したのはAやからな！」
主語が抜けているが、察するに戦勝を祝う、ということかな。
なるほど。作戦に参加したから……。
時間を確認すればすでに午後七時を回っている。
結構話してたんだなぁ。
『教えてくれてありがとう。他にまだ伝えてない人は？』
「Aで最後の予定やったからもうおらんで」
『そっか。じゃあ一緒に行こう？』
「おう！腹減ったー！！」
隣でキュルキュルとお腹を鳴らすシッマ。
……まだ成長期真っ最中なのかな。
そういう私も結構お腹が空いている。
私もまだ成長期であることを願いたい。
『オスマン？行くよ？あ、片付け忘れてた……ごめんね』
「俺が片付けておくから先行っといて大丈夫やで」
『あ……でも』
「いいからいいから、ね？」
『……うん。先行ってるね』
流石紳士だ。惚れ惚れしちゃう。
片付けを始めたオスマンにお礼を言いつつシッマを追いかけた。
「辛くない……か」
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リノ(プロフ) - 本田大和さん、ありがとうございます！様！？私の妄想に共感して下って嬉しい限りですー！！ (2017年9月3日 17時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
本田大和(プロフ) - きゃあああーーーっ！！リノ様の文章力で妄想が止まりませんｗｗ これから誰と絡んでいくのか楽しみで仕方がありません(＊ﾟ∀ﾟ)ｂ (2017年9月3日 10時) (レス) id: ed9a366666 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - 夏海さん、ありがとうございます！嬉しいですー！私自身、最初読み間違えたんですよ（笑）、 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - 話のテンポがすごく好きです。そして「ボロボロさん」には草を禁じ得ない笑 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 8f3bd46b36 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - リホさん、ありがとうございます！ありがちな話ですけど楽しんでいただければ幸いです！ (2017年8月29日 10時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年8月21日 13時
