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第二章 ページ2

「……A。忘れて」

そんなこと言わないでよ。

「君には必要ない……思い出だから」

そんなことないよ。

「全部夢だったことにして」

………………。

「ほら、目を閉じて」

……。

「次に目を開けたときは__」


名前も知らない、優しかった男の子との約束。
幸せだった日々の、夢。
今でも……たまに描かれる。


あの時、目を開けた私は……。


。・*・。・*・。・*・。・*・。・*・。・*・。


「あ、起きた?」


ゆったりとした口調でそんな言葉が聞こえた。
人がいるのか。
私には気付かないでほしいなぁ。


「身体動かせる?」


そこまで重症の人がいるのか。
早く手当してあげないとだね。


「おーい、もしかして喋れない?」


……今喋っている人以外の反応がないけど誰に話しかけてるんだろ。
私ではないだろうけど。
早く反応してあげてよ。


「起きてるんなら何かしら反応してほしいなー」


私の視界に銀色の髪の男の人が映った。


『……ぇ?』
「おはよー、傷の具合はどう?」


わ、私?
この人はずっと私に話しかけていたのか。
なんかすごく申し訳ない。


とにかく、と上体を起こすと右腕の二の腕の辺りがチクッと傷んだ。
その痛みに少しだけ顔を歪めると男の人が無理しないでね、と優しい言葉をかけてくれた。
上体を起こして状況を確認する。


どうやらここはベッドが三つぐらいある部屋で、私はそのうちの一つに寝かされていた。
服装は変わっていて、無地の白いワンピースになっている。
そして今傷んだ右の二の腕と左足に包帯、左腕は細い管で液体の入った袋に繋がっていた。


「君、腕と足を撃たれていてね。疲労困憊、栄養不足で気を失っていたんだよ」


男の人の話によればその状態の私を仲間の一人が連れて帰ってきたらしい。
本当は怪しい人物を国内に入れるわけにはいかないらしいのだが、私は何も持っていなかったし女だからという理由でそこまで警戒しなかったという。


彼のお仲間さんが助けてくれなければ私は……。


『ありがとう……ございます』


この人もきっと私を治療してくれていたんだろう。
そう推測して軽く頭を下げた。
男の人はへらぁと笑って、


「もうすぐ総統が来ると思うから安静にしててね」


と、私にプレッシャーを与えた。


私でもわかる。
総統というのがとても偉い人だということを。


そして。
戸惑い、微かに身体を震わせた私の耳に低音の声。


「おや、目を覚ましたか」




文字数……!

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リノ(プロフ) - 本田大和さん、ありがとうございます!様!?私の妄想に共感して下って嬉しい限りですー!! (2017年9月3日 17時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
本田大和(プロフ) - きゃあああーーーっ!!リノ様の文章力で妄想が止まりませんww これから誰と絡んでいくのか楽しみで仕方がありません(*゚∀゚)b (2017年9月3日 10時) (レス) id: ed9a366666 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - 夏海さん、ありがとうございます!嬉しいですー!私自身、最初読み間違えたんですよ(笑)、 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - 話のテンポがすごく好きです。そして「ボロボロさん」には草を禁じ得ない笑 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 8f3bd46b36 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - リホさん、ありがとうございます!ありがちな話ですけど楽しんでいただければ幸いです! (2017年8月29日 10時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リノ | 作成日時:2017年8月21日 13時

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