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「それにしても、あなたがこの教室に通い始めてからもう一年が経つのね。あっという間だったわ」

「そうですね。私もこの一年で花宮先生から本当にたくさんのことを学ばせて頂きました」



今からちょうど一年前…それは私が高校に入学して間もない頃。


どういうわけか高校の部活動に心を惹かれなかった私は、校外の習い事にも目を向けてみようと思い立って。

そのときたまたま見つけたのが、この箏曲教室『花笑み』だった。




そこの体験入学で聴いた花宮先生の箏曲に私は大感銘を受け、ここの学生になって箏を習うことを決意したのだけれど。


私を待ち受けていたのは、土日祝日を含め実に週六回に渡るお稽古の日々。



「週一くらいで通えればいいかもね〜」なんて母親と話していたのも本当に最初だけで。

実際にお稽古が始まれば後付けで「あなたのお稽古は週に六回だから」などと花宮先生から衝撃の事実を言い渡される始末。


「いやいや嘘だろ?」と、その時は本気で花宮先生の思考を疑った。

だって、週六だなんて聞いてない。そんなに忙しいとか、こっちは一切知らされてないです。





ただ、通う日数が多くなろうとも月謝料は入学前に知らされていた金額と同じだったため、母親は存外にも、


「へー!お月謝は変わらないのにこんなに沢山お稽古をつけてもらえるなんて、すごく良心的じゃない!」


と、たいそう乗り気な様子だった。





確かに、この稽古量であの値段なら良心的であるというのも間違いではないのだろう。

だが問題はそこじゃない。私はあくまでもっと、緩くお箏を習うつもりでいたのだ。

それこそ週一、二回くらいのお稽古で、あとは各自で自主練、みたいな。それくらいの緩さを想像、あるいは期待していたというのに。




でも実際のお稽古の頻度は、平日は毎日三時間以上、土曜日はなんと朝から夜までの丸一日。

この活動時間は下手すれば普通の高校生が部活動に費やす時間よりも長い。体力の消耗も相当なものだろう。

緩さなんて言葉とは随分かけ離れた活動内容だ。

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Rizuki(プロフ) - ここちさん» 恋愛要素少なめの本作ですので、ネット小説の需要を考えると多くの人の目に留まる作品ではないのかもしれませんが…こうやってあなた様のように温かなお言葉をくれる読者様がいることを私は誇りに思います。ありがとうございます、そのお言葉とても励みになりました。 (2021年4月22日 11時) (レス) id: 1b129a5f85 (このIDを非表示/違反報告)
Rizuki(プロフ) - すぎさん» 等身大に書けていましたでしょうか…!?ありがとうございます、そのお言葉とても自信になります(; ;) (2021年4月22日 11時) (レス) id: 1b129a5f85 (このIDを非表示/違反報告)
Rizuki(プロフ) - 通行人さん» 「文字列が美しい」なんて、最上級の褒め言葉ですよ…!(; ;)そんな風に言って頂けて非常に恐れ多いところですが、ありがとうございます。とても嬉しいです。気が向かれましたら是非またいらしてください、いつでもお待ちしております。 (2021年4月22日 11時) (レス) id: 1b129a5f85 (このIDを非表示/違反報告)
Rizuki(プロフ) - ハネムさん» 登場人物も設定も拘りに拘り抜いていた箇所なので、そこに気づいてくださるハネムちゃんのような読者様がいらっしゃると本当に心強い!今後も恐るべき亀更新で進んでいきますが、温かく見守って頂けますと幸いです。いつもありがとうございます大好き(; ;) (2021年4月22日 11時) (レス) id: 1b129a5f85 (このIDを非表示/違反報告)
Rizuki(プロフ) - 夕顔さん» 信じられないほどの亀更新だったにも関わらず、序章完結まで温かく見守ってくださったこと、とても光栄に思います。自由気ままに書いておりますので、もしまたご都合が合いましたら遊びにいらしてください。この度はご感想ありがとうございました。 (2021年4月22日 8時) (レス) id: 1b129a5f85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rizuki | 作成日時:2021年1月7日 21時

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