_眠り ページ4
。
走って、走って、走って。
もうどれくらいたっただろう。
喉は乾いて声も出せない。
僕は真っ暗で、
前も後ろも分からない場所を
ただひたすらに走っている。
お母さんが僕から遠ざかって行くのと、
誰かに追いかけられている気がするから。
怖い。怖いよ。
待って。お母さん。
…人間なんて大嫌いだ
そう思った瞬間
突然足元の地面に穴が開いて
僕は真っ逆さまに落ちて行く。
さっきとは別で360度鮮やかな空。
上を見ると、さっきまで
僕を追いかけてきていたであろう人が
何かを叫んでいる。
なぜか解った。
罵声ではない、何か。
_
「朝ごはんよ。起きなさい」
大好きな母の声が聞こえた。
僕は眼を覚ます。
今日は曇りらしい。
いつもの眩しくて暖かい光は無い。
さっきまでのは、夢。
母を見ると安心して肩が楽になった。
今日の朝ごはんは魚。
お母さんが市場でとってきてくれたのだろう。
そして、母の背中を見て、唐突に思った。
お母さんがいなくなったら、
僕はどうすればいいのだろうか。
また不安になって、
今度はお母さんになきついた。
「あら。甘えん坊さんね。大丈夫、大丈夫。」
と僕を慰めてくれた。
「さあ、もう一眠りするわ。」
お母さんは僕を離し、瞼を落とした。
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白の悪魔(プロフ) - 名無しのじんべぇさん» ご愛読ありがとうございます。励みになりました。頑張ります。 (2018年3月18日 1時) (レス) id: 468f3e0f33 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのじんべぇ - 素敵な作品ですね。世界観に惚れました。最新頑張って下さい! (2018年3月18日 1時) (レス) id: acea8b00f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白の悪魔 | 作成日時:2018年3月17日 2時