ナミダアメ ページ32
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良い大人がキャーキャー言いながら、
雨の中傘もささず走ってるなんて。
「雨も良いね!」
顕「何言ってんの!風邪引くよ?」
雨が降るあの日に、
彼に出会わなければきっと。
今日だって来なかっただろう。
…泣けない私の代わりに空が泣いて、
悲しさや寂しさの雨が降っていたあの頃。
いまはきっと、そんなんじゃない。
顕「結構濡れちゃったね?
俺タオル取ってくるから待って…て、って」
「うう…」
顕「は!?な、泣いてる!?え?なに、」
「………しあわせ、」
いまの空はきっと、幸せの涙が降っているんだ。
顕「…ずっるい」
「へ?」
顕嵐は私の瞼にひとつ、キスを落として。
顕「そんな顔他の人に見せたらどうなるか分かってんの?」
「何それ」
顕「反則多いんだよなーもう。
今日はこのまま一緒にお風呂行こ」
「え〜やだあ!」
顕「やだじゃない!Aちゃんがいけないんだから」
「意味わかんない!」
顕「早く来て?俺風邪引くー」
彼といる時間は甘くて、甘くて、
ただ日常のことが、幸せだ。
顕「ね、」
「今度はなに…」
顕「俺も幸せだって、言うの忘れてた」
「もう知ってるもん」
顕「なっ!?…さっきまで泣いてたくせに」
「顕嵐嫌い」
顕「の反対ね、はいはい」
「なんか扱い方雑!」
顕「てかまだー?」
「…なんか、恥ずかし」
顕「今更?…え、てか服脱いでないじゃん」
「やっぱ一人でお風呂、」
顕「無理。はい、ばんざいしてー?笑」
一緒に笑って過ごせたら良い、と
顕嵐が言った通りに、
私たちは毎日笑っている気がする。
顕嵐と付き合って私は、
幸せな涙しか流していないの気付いてるかな?
…ねえ、泣くならやっぱり
幸せな涙がいいよね?
Fin.
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あゆ(プロフ) - お疲れ様でした、最初からずっと読んでいましたが途中からもう展開がよめずにのめり込んでしまってました、とてもおもしろかったです!それぞれの関係性も最後になると良かったなぁってしみじみしましたし、おまけの紫耀くんが可愛かったです!最高でした! (2018年3月18日 1時) (レス) id: ea33ac3847 (このIDを非表示/違反報告)
唯花(プロフ) - 続編!!待ってました!!すごく好きな作品なので、とても嬉しいです!! (2018年1月13日 23時) (レス) id: 7107bebc9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃん | 作成日時:2018年1月13日 23時