願事レコード2.

★58 ページ8

.





「な、何で知ってるの先輩！」






私入学式の日、中学一緒の子たちと写真撮ったり
すぐに新しい友達も出来たりして初日から浮かれてて
そしたら貰ったばかりの学生証、
体育館の椅子んとこに落としてたみたいで
先輩が届けに来てくれたの。







北「いつも一緒にいる奴が拾ったんだよ」







2年生はクラスから数人ずつ、
入学式の会場である体育館の設営と
片付けをしなきゃならなくて。
北斗先輩もその仕事を任されていたらしい。








北「いつも一緒にいる百田くんが
"これ落ちてたんだけど届けた方がいいかな？"って、
学生証拾ったのを見せてきて。
よく見たら新入生だし、初日から何してんだよって」



「…恥っず！」



北「で、一緒に届けに校庭に出てみたら、
学生証の写真の子を見つけた。
その子の周りは人だらけで、初日からなんなんだこの子って。
それがAだったわけなんだけど」



「ええ…全然知らなかった…」



北「まあ俺は付き添いで後ろで見てただけだったしね。
でもなんていうか、
仲良くなれなそうだなってあの時思ってた」







ごめん、って笑ってる北斗先輩を見て
ちょっと安心した。

だって "思ってた" っていうから。
きっと今はそう思ってないって事でしょ？









北「…ま、今となってはひっくり返された感じ。
まさかこうしてここで弁当食ってるなんてさ。笑」


「私も…です。
でも入学式の日の事は本当知らなかったから驚いた…
早く言ってくださいよもう！」


北「"あ、入学早々学生証放置の子じゃん！"って？」


「やだ最悪…え、てか待って！？
先輩、学生証の写真見ました？」


北「もちろん。届けたんだから見たに決まってるじゃん」


「はあもう終わったー…」


北「何が？」


「だってあの証明写真めちゃくちゃ顔浮腫んでるんです！
寝起きで！」


北「いや、知らないしそんなの。笑」








.

★59→←★57

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す