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結局そのまま顕嵐の家に来た。
顕嵐の部屋は何度か遊びに来た事はあるけど、
2人で勉強するのは初めてだ。
男の子の部屋だけど、片付いてるよなぁ。
ってまたぼーっと部屋を見渡した。
顕「…ケーキ食べな、だって」
「え？顕嵐のママが？後でお礼言わなきゃ」
顕「とりあえず食ってからやるか」
「うん」
ショートケーキの苺をまずお皿の端に置いて、
スポンジ部分にフォークを刺した。
顕「あのさ」
「んー？」
顕「…なんか、変だよな」
「え？」
顕「分かんないけど、なんか変だよA」
「は………」
同じ事、それ私も思ってる。
分かんないけどなんか変だな、って。
……さっきの電話、北斗先輩の用事が気になるから？
顕「なんか悩んでんの？」
「別になんも…」
顕「………」
ああ、やっぱり今日は一人でいるべきだったかな。
顕「勉強のしすぎで頭おかしくなったんじゃない？」
「そーかもね、」
顕「やっぱゲームでもする？」
「んー…」
気を遣わせてしまっている。
今日はもう何もしたくない気分だ。なんとなく。
だけど私……
" テスト、頑張ろうな "
あの言葉、裏切りたくない。
絶対頑張っていつもより点数取って、
こないだやったとこ解けてるじゃん、とかって
何でもいいから褒めてもらいたい。
「…やっぱ、やる。テスト勉強、」
顕「…そう？あ、苺やるよ」
顕嵐も苺、私と同じように取って置いてたのに。
「良いの？」
顕「…お腹いっぱいだから」
何じゃそりゃ。
苺一個くらい、無理してでも食べられるくせに。
遠回しな優しさだなあ、って思わず笑ってしまった。
顕「…何、」
「甘くて美味しい。ありがと！」
顕「単純……」
なんかちょっと、元気が出たのは顕嵐のお陰だ。
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作者名：ちゃん
| 作成日時：2018年5月11日 23時
