第二十二話：誰かが為に ページ24
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「あ」
『あ』
00：00：05
爆弾に時間制限の表示が点く。
「ああぁあぁああッ！？？」
探偵社に居た全員が、真っ青な顔で爆弾を見る。
「爆弾！爆弾！あと五秒！？」
00：00：04
「おい小娘！お前爆破か爆弾とやらを操るのだろう！！これも操れるんじゃないのか！？」
『ンなモン出来てたまるか！！私が操れるのは自分を起点とした爆破だけだ！』
Aは珍しく声を荒げ、国木田同様に時間制限に焦っているのは明らかだった。
不意に、爆弾の近くに居る人質の少女が目に入る。
手を縛られて身動きは取れないだろう。
「.......！」
救いを求めるように、Aに目線を向けた。
00：00：03
『ッアンタ死ぬぞ！』
形振り構わず人質のもとに疾って、彼女を爆破から少しでも避けれるように自分の後ろに庇う。
もう時間が無いのならこれが一番最善だ。
今から逃げても間に合わない。
00：00：02
人質の少女が、不安げに顔を上げる。
「それでは貴女が...！！」
その様子を、国木田は驚きを隠せない様子で見た。
「死ぬ気かお前！？──────」
『じゃあ置いて逃げろッて云いたいのか！』
肉壁には、なる。
人質の少女は無傷では済まないだろうが、彼女の命は救われる可能性がゼロではない。
かたや敦は、目の前で数字が減っていく爆弾を見て、
如何しようと必死に脳を回転する。
「爆発！？部屋が、ふ、吹っ飛ぶ！？爆風を抑え....何か爆弾に被せないとッ！」
太宰は敦に視線を動かすなり、目を見張った。
「なっ」
00：00：01
敦は、爆弾の上に覆い被さった。
かたやAは人質の少女の肉壁に。
どちらも、死は免れない。
00：00：00：00
終わった。
両者共そう、思った。
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作者名：椿 | 作成日時：2024年4月16日 20時
