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『っとと。ゾム、勢い良すぎ。…聞いてたの？』
抱き締められる、というよりは突進されるの方が正しいくらいの勢いだった為衝撃によろけてしまったが何とか立て直して、横目で彼の方に視線をやりつつ疑問を投げかけた。
最後のセリフは確実に聞いていたのだろうけど…その前からいたのだろうか。
zm「すまんすまん！せや、Aが来た辺りから聞いとった」
『声掛けてくれたらよかったのに』
zm「あー…。まぁ声掛けづらくてなぁ。おかげでAが俺の事どう思っとるか聞けたし、それは良かったと思ってるで」
『いやそこじゃなくてね』
zm「…わかっとる」
聞きたかった事への答えじゃない事を指摘すると、真剣な顔になるゾム。
zm「…あかんな。新人への配慮も忘れるようやと。ないがしろにしとった…つもりはないんやけど、俺の隊は勝手に動くやつらばっかな上に新人なんて久々やからすっかり抜けとったわ。今回の戦争が厳しいんもわかっとるから、それもあるんやろけど。…でも言い訳にしかならんよな。ちょっと俺行ってくるわ」
『うん、いってらっしゃい。…あ、食害はしないであげてね？』
zm「わかっとるって！今回[は]せえへんから！」
『いや今後もダメだよ…』
zm「じゃ代わりにAにしてええ？」
『そ、それはやめてください…』
zm「ｸｸｯ！んじゃまたな！」
そう言ってゾムは彼の後を追って走っていった。
ダクトから行かないのも珍しいな、びっくりさせないように…って事は考えてるのかな。
…きっと大丈夫。
私は気を取り直して中庭に向かった。
――――――
em side
em「こんにちは。わざわざ二人きりで、なんて呼び出すなんて珍しいですね。グルッペンさん？」
gr「そう嫌味っぽく言わないでくれ。…エミさん、今回の戦争どう思う？」
em「貴方が他人にそれを聞くなんてどうしたんです？…私の私見で良ければ」
gr「構わない」
インカムで突然呼び出され、他の誰にも言わないようになどと念押しされたので何の用件なのかと思ったが…。
彼がわざわざ戦争前にこんな弱気な発言をするのは珍しい。
それこそ自分たちより強い可能性のある相手でも…彼はただただ突き進んできた。
それなのに今回は…今の発言も含めて消極的な気がする。
…いや、それは幹部全員が、隠してはいるがどこかそんな感じがあるように感じた。
勿論、私も。
―これが俗に言う虫の知らせ、というものだろうか。
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淋(プロフ) - ちょこぱいさん» 気に入っていただけたようで嬉しいです！！ありがとうございます、無理のないように頑張って更新します！ (2020年12月14日 22時) (
レス) id: 7bc11c6066 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぱい - めっちゃくちゃ面白いですね！続きが気になります.......！無理しないで頑張ってください！ (2020年12月1日 16時) (レス) id: 96347ca1af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淋 | 作成日時：2020年11月13日 20時
