▽ sha side ページ45
sha side
俺の言葉に大先生はそっか、と一言零すとまた俯く。
その目はゆらゆらと彷徨って、まるで言葉を探してるみたいやった。
とりあえず大先生が口を開くのを待つと、数秒で言葉は返ってきた。
ut「…なあ、シャオちゃん」
sha「ん」
ut「僕は…自分の気持ちを伝えてもええんかな。Aちゃんに…」
sha「当たり前やろ」
ut「！」
あっさりと肯定した俺に驚いたのか、大先生は目を見開いてゆっくりと顔を上げた。
けど誰だってそう答えると思うで、だって…。
sha「お前の気持ちはお前のもんや。誰にも止める権利なんてないし、言葉で伝えんと何も伝わらん。そうやろ？」
ut「…そう、やね。それに…僕が頑張ったらきっとその分誰かがケガする可能性も減るやんな。…また皆で、ここで、色んな事したいし…」
sha「そうやな。その為には」
ut「…気持ち取られとったら、あかんよな。…うん、ありがとうなシャオちゃん。僕…Aちゃんと話してくるわ。ちゃんと気持ち伝えてくる。返事がどんなでも…後悔しない為に」
sha「さよか。振られても泣くなよ？」
…まぁ振られる事なんてないと思うけどな。
俺が本気で言ってないのがわかったのか、大先生もいつもの調子で返してくる。
ut「ちょ、シャオちゃん酷いっ！」
sha「きっしょ。さっさと行ってこいや」
ut「…シャオちゃん、今度何か奢るわ」
sha「お、じゃあ今度ゾムから食害されそうになったら代われよ」
ut「そ、それは勘弁して…。てかそれ代わらんでも僕絶対巻き込まれる気がするわぁ」
早よ行け、と喫煙室から追い出せば大先生は苦笑いしながら走って行った。
一人喫煙室に残った俺は…ベランダに近付いて角の方に向かって話し掛けた。
sha「…何時まで隠れとるつもりなん？エミさん」
em「あら…バレてましたか。大先生も気付いてないようだったので出にくくて…。すみません、盗み聞きするような形になってしまって」
sha「ま、起きてからずっと心ここにあらずみたいな感じやったからなアイツ。でも…もう大丈夫やろ」
em「そうですね。…勝てますよね、今回も」
sha「当たり前やろ。皆で帰ってあの二人盛大に煽ったらな」
em「ふふ。たまには私も煽る側に回ってみましょうか」
sha「いや無理やろエミさんには」
em「速攻で否定しないでくださいっ！？」
その後も俺たちは軽口を叩き合った。
胸の内に過ぎる不安に目を逸らすかのように。
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淋(プロフ) - ちょこぱいさん» 気に入っていただけたようで嬉しいです！！ありがとうございます、無理のないように頑張って更新します！ (2020年12月14日 22時) (
レス) id: 7bc11c6066 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぱい - めっちゃくちゃ面白いですね！続きが気になります.......！無理しないで頑張ってください！ (2020年12月1日 16時) (レス) id: 96347ca1af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淋 | 作成日時：2020年11月13日 20時
