彼の行方 ページ29
呼ばれて振り返ればそこにいたのは酷く思い詰めた顔をしたシャオちゃんだった。
少し待ってみるが話すのかを迷っているようだったので、ここじゃなんだからと部屋へ招き入れてお茶を出した。
お茶を飲んで少し落ち着き決心したのか、漸く声を出してくれた。
sha「…急に、すまん。誰に言ったらいいのかわからんくて…」
『大丈夫だよ。それでどうしたの？』
sha「…ほんまはシッマとかに話した方がええかもって考えたけど…一番何とかなりそうだったのがAやってん…。…大先生の事で」
『え？』
sha「さっき、グルッペンとロボロが話しとるの偶然聞いてしもてん。グルッペンに渡さないかん書類届けに行って。…大先生が、一人でβ国に行ったって」
『！！』
大先生が一人で、β国に…？
どうしてそんな事を…？
sha「何か二人とも理由知っとるらしいけど…大先生とβ国には何かあるらしいねん。自分の事は自分でけじめをつけたい…とか言っとったらしい。あと大先生がハッキングして、うちにちょっかいかけてるのがα国とβ国に絞れた…とか。確かにアイツはロボロの仕事を手伝ったりはしとったけどβ国って情報面めっちゃ強い国やろ？そんなところにハッキングかけれるとか…。ちょっと混乱して上手く整理出来んくて…誰かに話さなあかんと思って…」
『…そっか。話してくれてありがとう、シャオちゃん』
sha「いや…俺も、すまん。ロボロが…大先生が〇ぬ気なんやないかとか言うから余計に何とかせなって思って…」
『！！』
…どうしたらいい？
皆に話す？
でもそうなると…大先生が【抑都】だって事も話さなきゃいけなくなる。
たぶん大先生は過去の事はあまり知られたくないだろうから…それは出来ない。
グルさんかロボロを問い詰める？
でも話してくれるか…私の知らない事だったなら、きっと二人とも口を噤む気がする。
それで時間をくって大先生が、もし…。
…それなら、答えは一つだ。
『…わかった。私が行く』
sha「え！？いやでもそれやったらグルッペンかロボロに聞いてから…」
『たぶん大先生が話したくない事なら二人とも話してくれないと思う。それに…時間をあまり取られたくない。だから私が行く、今から』
sha「え、今から！？」
『うん。シャオちゃん、お願いがあるの』
sha「な、何？」
『私が発ったらグルさんに私が行った事を伝えてほしい』
シャオちゃんはそれにしっかり頷いてくれた。
さあ、急いで準備をしなければ。
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淋(プロフ) - ちょこぱいさん» 気に入っていただけたようで嬉しいです！！ありがとうございます、無理のないように頑張って更新します！ (2020年12月14日 22時) (
レス) id: 7bc11c6066 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぱい - めっちゃくちゃ面白いですね！続きが気になります.......！無理しないで頑張ってください！ (2020年12月1日 16時) (レス) id: 96347ca1af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淋 | 作成日時：2020年11月13日 20時
