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思わず上げてしまった声はきっちり二人の耳に入ったようで、こちらに二人の視線が集まる。
慌てて話の邪魔をしてしまった事を謝ろうとすると大先生が苦笑して先に口を開いた。
ut「大丈夫、そんな気にするようなもんやないよ。ただ…最初の仕事をあそこでやったんは間違いやったって思い出だけやから」
『…ホントに？』
ut「ほんまほんま。ちょーっと興味本位で国の機密データんとこハッキングしたら……あそこはやっぱ腐ったやつばっかやって再確認しただけやから」
気にしないように教えてくれた大先生だけど……どうもそれだけじゃない気がする。
グルさんがチラリと大先生に一瞬視線をやったのを私は見逃さなかった。
やっぱりそれだけじゃない…何かがあるという事だろうか。
gr「まだどちらなのか確定した訳でもないから時期尚早な話だったな。…で、大先生。k国がq国に通信を流していた事は、黙認されていると思うか？」
ut「可能性はあるな。そこまでのハッキングが出来るんやったら緊急通信の電波も網羅しとるやろし」
gr「つまりk国の総統を助け出そうとした場合罠がある可能性が高いと」
ut「可能性、やけどね。用心しといて損な事はないと思うで」
gr「……ふむ、わかった。…先ほど時期尚早と言ったがやはり今聞いておいた方がいいな。もしβ国と戦争になった場合、お前は―」
そこまでグルさんが言ったところで幹部間での通信連絡の音がインカムから鳴った。
グルさんは小さくため息を吐くとそちらとの回線を開く。
私たちもそれに倣った。
gr「どうした？」
rb〈ゾムが帰ってきたで！報告に行くって総統室に向かったけど全員集めるか？〉
gr「そうだな。では全員会議室に集めてくれ。そこで報告を聞こう」
rb〈あいよ〉
ロボロとの通信を終えたグルさんはすぐにこちらに向き直った。
gr「聞いた通りだ。すぐに会議を再開するから会議室へ行くぞ」
ut「あ、その前に…。Aちゃん、すぐ行くから先に会議室行っといてくれへん？」
『え…？』
ut「すぐ行くから。…な？」
いつもの笑顔と優しい声色。
でも何故か有無を言わさぬ威圧感を感じて、私は何も聞かずに頷いた。
私は二人を残して総統室を出て会議室へと向かった。
何故か…置いて行かれたような気分になったのは何故だろうか。
私が会議室に着くと、すぐ後に二人も戻ってきた。
少しもやもやした気持ちを抱えたまま、会議は再開した―。
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淋(プロフ) - ちょこぱいさん» 気に入っていただけたようで嬉しいです！！ありがとうございます、無理のないように頑張って更新します！ (2020年12月14日 22時) (
レス) id: 7bc11c6066 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぱい - めっちゃくちゃ面白いですね！続きが気になります.......！無理しないで頑張ってください！ (2020年12月1日 16時) (レス) id: 96347ca1af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淋 | 作成日時：2020年11月13日 20時
