疑問 ページ3
「さっきは本当にありがとう。」
「いいえ、授業きいてなかったでしょ。」
「いやいや、聞いてたよ聞いてた。」
「嘘つけ、ぼーっとしてただろ、まあいいけど。俺のおかげだね、これで貸し1つだから。」
「えー、わかった。」
「っふ、素直かよ、嘘に決まってるだろ。」
「えっっ、それうそなの?わかんないや。」
「冗談だよ、まあ半分本気だけど。」
何だか不穏な一言が聞こえた気がした。私は今後何か脅されるのか?こわいなあ、そう思うと同時に、こうしてお昼を向かい合って、食べている状況が意味不明すぎて別の意味で心臓のバクバクが止まらなかった。
彼は私を一体どうしたいの?
もう解放してください。もう友達出来なくてもいいので、一旦この緊張から逃れたいです。
心の中では、こんな大荒れ模様だけど、外面は冷静なはず、バレていたらそれはそれで一巻の終わりだ。
きっと恥ずかしさでどうにかなってしまうと思う。
そんな風に、転校初日から前途多難な幕開けでした。
最初だけだろうな話しかけてくるのは、と思っていた英だけど、数ヶ月経った今でも彼は私に話しかけてくる。
いやそりゃ、一度は話しかけた相手だから同じクラスメイトだしなかったことにするとか、そういうことはしないと思うし、しなくていいんだけれど、なんだか必要以上に私に絡んでくる気がする。最初は親切心なのかと思っていたけど、それともなんか違う。
というか、簡単に言うと前より仲良くなってしまったのだ。
(どうして?????これこそ意味不明)
こんな根暗女と話してて何が楽しいの?
私は逆に英と話してて超絶楽しいんですけど。
こんなイケメンだったら身に余る光栄ですよね。
じゃなくて。
結構時間は経ったけど、一番の杞憂は、私が英に対して、ど緊張をいまだにしてるってこと。本人は知らないようだけど、私は未だこの顔に慣れていない。いや、多分一生慣れない。何で慣れないかって、私の、タイプの顔だからだ。
(何でその顔に生まれてきたの?私を落とすためですよね。)
いつかバレるんじゃないかとヒヤヒヤしながら、今日も英とやりとりをする。
「今日さ、部活きてよ。前いったじゃん、俺バレー部だって。」
「えっ、部活?」
「うん、だって、A、ここの学校きてから部活入ってないよね。放課後ひまでしょ?」
「暇といえば暇だし、暇じゃないといえば暇じゃない。」
我ながら意味わからないことを言った。
だって、非常に面倒くさいし、あと普通に怖い。
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作者名:りんご | 作成日時:2024年3月24日 23時