友好の証。 ページ2
「俺のことは、英でいいよ。佐藤さんは、なんて呼べばいい?」
「う、ん、わかった。私も名前でいいよ。佐藤Aって言います。」
「Aね、よろしく。わかんないことあるだろうし、校舎の案内も兼ねて、お昼食べよ、一緒に。今日は、弁当?購買一様あるけど。」
「えっと、一様持ってきたよ。あき、らは?」
「俺も弁当だ、同じだね。じゃ、案内はまた後で、お昼食べるとき、なんかわかんないことあったら聞いてよ。」
「うん、お願いします。」
意外に話はすんなりと決まった。
見た目に反して、凄くフレンドリーな人だった、びっくりするくらいに。そんな見た目してないけどなあ、とか失礼なことを思ったけど、心の内にしまっておくことにしようと思った。
英はいとも簡単に、こちらのパーソナルスペースに入り込む。それでいて、自然体で話すものだから、こちらも思わず警戒を解いてしまう。だからこそ、喋りやすいのだろうか。
あと、ちょっと、思うことがあるから言わせて欲しい。
この人、めっちゃかっこいいし、背高いし、いい匂いする。
リアルにやめてほしい。
一般人Aにとっては、それはもう未知な領域で、近づかないで欲しいレベルに、顔が整いすぎている。後ついでにいい匂いなのもやめてほしい。これは決して、人の匂いを嗅いでる変態とかではない。
なんでそんな人が私に話しかけてくれたの、後なんでお昼一緒に食べるの、絶対緊張して無理、とかそんな風にぐるぐる頭で考えていたら、チャイムが鳴った。
ああ、現代文か。めんどくさい。
何が面倒くさいかって、当てられることである。
割と、この学校の先生は、生徒にいきなり聞くパターンが多いので、ぼーっとしていたら後ろから刺されそうな勢いで、はい、あなた、みたいに指してくる。
流石に、ないだろとか思っていたら、考えたくもない可能性にぶち当たってしまい、私はついに当てられた。正直授業なんて聞いていないので、おわった、聞く人もおらんと、絶望していたとき。
「A、4番だよ。」
後ろから囁くように、答えをくれた神様がいた。イヤフォンで聴いていたら、結構やばかったかもしれない。
「4番です!」
「正解、ここはーーーーー」
自信満々に答えた4番と言う数字、どうやら当たっていたらしい。ほっと一息して、空を見つめる。
(今日も綺麗だなあ)
そんな、他愛もない、関係ないことを考えていた。
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作者名:りんご | 作成日時:2024年3月24日 23時