筋肉と甘栗の条件 (ページ50)

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上田サイド

琳寧の父「上田さん､お疲れ様でした｡初日ではありますが､なかなかの働きぶりでしたよ(^-^)」

琳寧の母「それに覚えも早かったですし｡もしかして､記憶喪失の前は銭湯で働いていたんじゃないかと思うぐらい(^-^)」

上田「そ､そうでしょうか…」

男子更衣室の掃除を終えて､

仕事を全て終えると､パパさんとママさんが褒めてくれた｡

銭湯で働いていたって…実は､そうじゃないんです｡

何て､言えるわけが無かった(-_-;)｡

琳寧の父「明日もよろしくお願いします」

琳寧の母「よろしくお願いしますね」

上田「はい…」

パパさんとママさんに「お休みなさいm(_ _)m」と挨拶して､自分の部屋に入った｡

法被を脱いでハンガーに掛け､

寝巻きであるジャージに着替える｡

上田「(俺が良い奴…か)」

面倒見が良くて､頼りになる｡

琳寧にそう言われた時は嬉しかった反面､そんなんじゃないと後悔していた｡

アイツは人間｡俺は人魚｡

それも悪い人魚なんだ｡

上田「(琳寧､すまねぇ…｡記憶喪失というのは､嘘なんだ…｡言えない俺を､許せ…)」

いずれ話そうと思ったが､怖くて話せなくなってしまった…｡

上田「くそっ…」

ソファーに寝転がりながら､悔しそうに呟く｡

このまま､海には帰るものか｡

俺をパシリにしやがって｡

ルガン一族の人魚であることは捨てて､人間として生きよう｡

ここで…陽だまり湯で…琳寧達と暮らしていく｡

そう誓い､ゆっくりと目を閉じた…｡

第5話『言えない嘘』終わり

『筋肉と甘栗の条件 Part2』に続く…｡