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「むっきゅー、おねえさん、おきるのよ!」

毎朝、そう言ってわたしを叩き起こすのは、飼いゆっくりの胴付ぱちゅりーちゃん。

七時ぴったりに起こしてくれるのはありがたいんだけど、金切り声が少々耳にいたい。

「……んぅ……あと五年……」

「むきゅ!?そんなにすーやすーやしてたら、おしごとさんにちこくしちゃうわ!!おきなさい!いますぐおきなきゃ、ぱちぇがおねえさんのかみのけさんむーしゃむーしゃしちゃうわよ!?」

寝返りをうつわたしの耳元でそう叫び、ゆさゆさと肩を揺すってくるぱちゅりーちゃん。

「……ん〜…………わかったよぉ……」

わたしはのそのそとお布団から這い出て、眠たい目を擦りながら起き上がる。

「むきゅ!おねえさん、むっきゅりしていってね!」

「……ゆっくりしていってね……ふわぁぁ……。…………うー……まだねむたいよぉ……」

「ほら、はやくおかおさんあらってきがえるのよ!ぱちぇがごはんさんつくるから、おねえさんははやくしたくをするのよ!!」

「……はぁい……」

一人暮らしが寂しくて飼った子なんだけど……

なんだかお母さんみたいだなぁ。

金バッジなだけあって、小学一年生並みの漢字を書けるくらいには、とっても賢いし。

実家で昔飼ってたれいむちゃんとは大違いだなぁ。

れいむちゃんは銀バッジだったけど、よっつまでしか数えられなかったし。

胴付だとやっぱり、ただのおまんじゅうよりもかしこいのかなぁ?

通常種の中でも頭がいいぱちゅりー種だし。

「おねえさんっ、ごはんさんができたわよ!したくはできたの!?」

「ちょっと待ってぇ……あと着替えるだけだから!」

「むきゅ!むっきゅりしないでいそぐのよ!」

「はぁい……!」

口うるさいぱちゅりーちゃんだけど、この子を飼ってからはお仕事に遅刻しちゃうことはなくなったんだよね。

ただまぁ、毎朝毎晩、わたしがつくってあげたエプロンをつけて、おたまを片手にわたしを叱るところは、お母さんそっくりで、なんだか変な気分がするんだけど。

「おー……今日の朝御飯はポトフかぁ……いいねぇ……」

「ほら、むっきゅりしてないではやくむーしゃむーしゃするのよ!きょうのごはんさんはいつもよりおいしくできたきがするから、しょくざいさんとぱちぇにかんしゃしてね!!むっきゅん!」

自慢げに胸を張り、そう言うぱちゅりーちゃん。

「はーい!……いただきまぁす!」

「むきゅ、いただきます!」

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ラッキーゆっくり

んほお


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作者名:唐澤貴洋 | 作成日時:2017年8月3日 11時

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