気付いたら持っていたモノ (ページ7)

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5話ページ7

『あーもう、絶対輪廻さんのせいですからね。』

輪廻「私が悪いんですか？」

泣き止んでからちょっと輪廻さんを睨んで言う。

『これ絶対目ぇ腫れてるパターンですから。』

輪廻「大丈夫、変わりませんよ。」

『それ完璧にめちゃくちゃ悪口ですからね!?』

私がちょっと怒りながら言うと、何故かクスクス笑いながら言う。

『ちょっとー…？』

輪廻「すみません。あまりにも反応が可愛すぎて。」

『はいいじめ～いじめ決定～。』

…学校でも友達の前でも、家族の前でも出せない。

そんな素が、輪廻さんの前でだけ出せている気がしたんだ。

『…いつも思ってたんですけど。』

輪廻「はい？」

『輪廻さんはこんな時間に外にいて…家族とかいないんですか？』

輪廻「…家族、ですか…いるんでしょうか。」

『ええ…知らないから聞いたのにぃ…？』

またもクスクス笑う。

輪廻「言われてみれば、確かにそうですね。」

『輪廻さんって、ひょっとしてちょっと馬鹿？』

輪廻「失礼な。」

『人のこと言えませんよね？』

輪廻「…そうですね。」

納得いかないのか、ちょっとムスッとしながら言う。

…ああ、安心するなぁ。