こーすけの妹は毒舌系実況者 [実況者]

つわはす、精一杯の ページ22

「人多いね」

観覧車に着いた俺達、
人は確かに多いけどなんて言うか…
カップルばっかりだなぁ…リア充め…


「さ、乗ろっか!!」

「え、あ、うん」


観覧車に乗ると始まる沈黙
そしてゆっくり動き出す
高所恐怖症じゃないよ…な…いやけるはず!!


「なんかさぁ…」

「んー？」


長くも無い沈黙を破ったA。
沈黙は苦手だから良かったような


「観覧車って人を見下してる気分になるよね」

「……そ、そうだね、うん」


何言い出すかと思えば…やっぱ怖いな
そういえば…黙ってたら本当に…


「可愛いよな…」

「ん？何が？」

「あ、いや、そういえばAってさ…」

「うん？」

「好きな人居るの？」

「居ないよ？」

「へ、あ、そうなんだじゃあAさ、自分が失恋したら…どう思う？」


……あれ、なんでこんな事になってるんだろう
さっきまで沈黙してたのに何してんの自分!!
そんなどうでもいい事聞いてどうするの！


「失恋？あー……」

「……」

「そういう経験無いからわかんないや…あ、失恋経験が無いって意味じゃなくて恋愛経験無いほうね!!」


うん、どうせ好きな人出来ても失恋しないだろうけどね、というか恋愛経験無いとか意外だな
なんか超豊富だしとかどや顔で言ってそう


「でもさぁ」

「ん？」

「そういうのってさ、結局……あ、観覧車1番上になった！景色綺麗！海見えるし！」

「え」


何言いかけたんだろ…なんか珍しく真面目だったのに、くそ、聞きたかった…観覧車め!!
まぁ良いや…もうすぐ降りなきゃいけないし

あれ渡しとこうかな…一応!!
絶対似合わないと思うけど!!


「ねぇA」

「ん？」

「目、閉じて」


目を閉じてもらった、待ってこれ
今なんでもやり放題じゃん！え！

違う…危ない落ち着け自分…良し!!



ゆっくり首に手を回してさっき買ったネックレスを掛けてみる、もちろんこんな事するのは初めてだからネックレスがなかなか付けれなかった。


「ん、良いよ、似合ってる」

「お世辞乙…」

「まぁとりあえず貰ってください」

「はいはい、これ可愛いね」

「だからAには似合わないけどね」

「うっさい死ね」

「はいはい」

「あ、さっきの続きね」

「え、あー…」

「恋愛とかって結局さ、好きになった方が負けなんじゃないかなぁ…って！それだけ」

「そっか…良し帰るか!!」

「はーい、でさこれ……」


ネックレスを見るA
これはまだ何も伝えれないけど

「俺の、俺の精一杯の気持ちだよ」

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