39話 ページ41
そして今度こそ疑問が浮かんだ
どうしたら自分は死ねるのだろうか
心に問いかけても答える者はいない
そしてそんな無に等しい顔をしている女にその頃の当主はもちろん目をつけた
そこからその女を使った実験が始まった
心臓を貫いてもその心臓は少しすれば再生を施して動き出す
火で炙っても爛れた肌は死ねば元通りの白く透き通った肌に戻る
首を落としても気づけばその皮膚同士は結合を始める
これらの結果に当主は大変喜んだ
話していてもかなり胸糞悪い話だが、呪術師の家系からすれば死なない女など、大金を払って手に入れる呪具よりも使いやすかった
だがそれはその者が術師だったらの話
女は術師ではない。その訓練は今までさせてはもらえなかった。それは特に女の不自由ではなかったし、痛い思いをするのは女とて嫌ではあった
けれど当主は体を弄り倒すだけでは飽き足らず、一から女を術師にしようと鍛え上げた
朝から晩まで死んでも死なない体を持つ女に鞭を打つ
そんなクソのような生活の結果、女はそこら辺にいる術師並の力を蓄えた
が、ある日女が死んだ
いつもあるような死ではなく、本当に死んだ
原因は肉体にあった
何度も繰り返される再生に肉体がついに悲鳴を上げ、呪霊にやられた傷を治す際、弾けてそのまま死んだ
当主はやはり人間では不死を手に入れることはできないのだと、そこまでを書記に残して表に出ぬよう保管した
それがどんな形で俺の両親に渡ったのかは分からないが、2人はそれを知るなりその術式をどうにかこうにか手繰り寄せようと子供を何人も作った
1人目、失敗
2人目、失敗
3人目、失敗
失敗
失敗
失敗が続いた
11人目、1度の再生に成功。2度目で死亡
そして俺が生まれた。13人目だった
俺は覚えていないだけでさっきあの呪力の無い男に殺されたのを抜いて、きっと5回以上は死んでいるんだろう
両親は歓喜して俺を大切に育てた
まあ2人とも俺が小学生の頃に死んだけど
別に悲しくなかった。もらって嬉しいはずの愛情が気色悪くて仕方なかっから
そして引き取り手からも逃げた俺は高専に拾われたってわけ
この事を知るのは上のクソジジイ共と先生達だけだ。五条達には言ってないからもちろん知らないと思う
『(知られたくはないなぁ)』
気味悪ぃとか言われたらどうしよう。わりと立ち直れないかもしれない…
『とにかく五条達んとこ行かなきゃ』
俺は目の前に続く長い階段に足をかけた
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いちご牛乳(プロフ) - 砂糖さん» ああああ‥‥ありがとうございます、、嬉しいです!!やっぱり絡み見たいですよね( ˙-˙ )笑書けたら書こうと思います(●´▽`●)頑張ります〜!! (2020年10月28日 0時) (レス) id: 78f1b03d1a (このIDを非表示/違反報告)
砂糖 - いつも更新お疲れ様です!!男主の小説が少ないのでこの小説を書いてくださって感謝しかないです。年齢制限の絡み…気になります()無理のない程度に更新頑張ってください、応援してます! (2020年10月26日 22時) (レス) id: f640eaedb5 (このIDを非表示/違反報告)
いちご牛乳(プロフ) - りんたろうさん» そんなふうに言って下さるととても励みになります…年齢制限のものは書ける暇があったら書こうと思います(^-^)頑張ります!ありがとうございます(´;ω;`) (2020年10月21日 17時) (レス) id: 78f1b03d1a (このIDを非表示/違反報告)
りんたろう(プロフ) - いつも面白くて読ませて頂いています!!!!年齢制限のやつ…とてもみたいです()このご時世ですのでお身体に気をつけてお過ごしください!楽しみにしています! (2020年10月21日 3時) (レス) id: ba7f2d4d8d (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - 復活待ってます!すごく面白かったです! (2020年6月28日 20時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちご牛乳 | 作成日時:2020年4月11日 3時