弐拾弐 ページ23
『あー!ほんと美味い!』
征母「ふふ、それはよかったわ」
征父「たんと食べなさい!三人とも」
沙 征 『「はーい!」』
俺たちはいつも通りご飯を完食した
『はぁー!美味しかった!』
征「はは、お前ほんと好きな。母さんの料理」
『俺、あんな美味しい料理食べたことないよ』
征「おいおい、どうしたよ、お前?今日はやけに褒めるな?」
どうしたのは征也の方だ。俺はいつもこんなんだし、というか、
『今日は地味な服着てんな?いつもはもっとこう、派手なのに』
征「地味言うな、喧嘩売ってんのか?つか、誰と間違えてんだ、俺の事」
『……え?あ、あー、ごめん、悪い悪い!あっ、俺もう帰るわ!また明日な!』
征「は、おい?……?また明日な〜?」
俺は小走りで外へ出た
『…なに、してんだろ、俺…』
いつもの俺のはずだ。それに、母も父もいない俺に征也以外の親しい友達などいないし、間違えるような相手もいない
『でも…』
何故か違和感がある。地味なことに対しての違和感が
俺の周りはもっとこう、派手だった気がするんだけど…
『はぁ、わかんね。帰ろ』
考えてもわからないことをごちゃごちゃ悩むのは嫌いだ
俺は速足で一人の家に帰った
__
あれから数日、違和感がある毎日を過ごしている
『足りない、なんだ…この消失感は…』
モヤモヤと考えながら歩いていた。その時、
「キャーッ!!」
『…!!』
女性の悲鳴。声が聞こえた方を向くと、女性が尻もちをついていた
『大丈夫か!?鬼は!』
「…へ、?お、鬼…?あの、私は…キャァ!」
すると、家の物陰から小さな影が現れた
「にゃーん」
『…猫?』
「わ、わたし、猫苦手で…!」
なんだ、鬼じゃないのか…
『…鬼?…何言ってんだ、俺…』
俺はそのあと、なんとか女性を立たせて、また川沿いを歩いていた
今日の俺は…いや、ここ数日の俺は自分でも思うほど、どこか変だ
気づけば俺の知らない『鬼』という存在や、『地味ではなく派手』というイメージが頭に浮かんでいる
『なんなんだ、一体…』
征「A」
『…征也』
征「何か、悩んでいることでもあるのか?」
『悩み…?無いよ、そんなの』
なんでそんな悲しそうな顔をしているんだ
征「お前は今、幸せか?」
『なんだよ、急に。幸せに決まってるだろ?征也がいて、みんながいて。幸せだよ』
征「…A、」
やめてくれ。もうこれ以上、
「お前のいるべき場所は、ここじゃない」
俺を一人にしないでくれ
286人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソルト - 時代が大正なので英語の言葉があると違和感があります 面白かったです! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 2ea42c4323 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いちご牛乳 | 作成日時:2019年11月28日 16時