呪術廻戦［短編集］

夏油さんの旦那さん[現パロ 女主] ページ26

※終始モブsideです









会社の飲み会というのは断りづらいことが多々ある

明日は休日で出かける用事があるのに、とか。帰ってみたいテレビがあるのに、とか。ただ単に居心地が悪くて行きたくない、とか

行きたくない理由は人それぞれあるけれど、行かなくてはならない理由は人間関係を崩したくないからだとだいたい決まっている


今回もそうで、上司のお姉様が急に「ねぇ今日みんなで飲み行かない？」なんて、わざわざみんなでお昼を食べている時に来るもんだから、私たちは顔を見合わせてこっそり眉をひそめた

この感じ絶対彼氏に振られたんだろうな、また。毎度毎度上司が捕まえた男の愚痴を聞かされる私たちの身にもなってほしい

しかも女だけの飲み会。何人か男がいたならその人が飽きてきたタイミングを見計らってお開きにできるのに



そんなこんなで私たちを半場無理やり飲みに誘った上司は、案の定愚痴を吐きながらかなりのハイペースで酒を流し込んで潰れてしまった

いつもなら潰れる手前で、もう2軒！なんて言い出すから、これ以上愚痴を聞くのはもう御免だと、つい上司を引き止めるために料理を多く頼みすぎてしまった。料理勿体ないですから！と言う前に上司は寝てしまったけど。なんとかお持ち帰りができるお店で助かった。でも…


「これどうする？適当に分けてもらったけど誰がどれ持って帰る？」

「明日みんな何もないなら持ち込みいいとこ行って食べて帰らない？」

「それいい！でもここら辺にいいとこないよねぇ。家近い人いたりする？」

「ごめんアタシあと三駅先だわ」

『私近いんですけど、いけるかどうかはちょっと…』

「あ、そっか。Aちゃん結婚してるんだっけ。旦那さんに悪いかな」

先輩の声にみんなの視線が一人の女性に向いた

彼女は夏油さん。入社して2年半くらいらしく、でも一応私の先輩にあたる人。よく笑う、面白いくて優しい人。そんな彼女は既婚者で、子どもはいないらしいけど何やらイケメンな旦那さんを持っているらしい

『でもお開きにするには早いですし、とりあえず聞いてみますね！』

任せてください！と言わんばかりの可愛らしい笑顔を私たちに向けて、夏油さんはスマホをタップし始めた

夏油さんの旦那さん、何度か会社に迎えに来てるのを見たことあるけど顔までは知らないんだよね。すごい背が高かったのは覚えてる。噂では塩顔のイケメンだと聞いたけど

なんて思っていると、夏油さんのスマホが震えて着信音が鳴り響いた

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