【WT】レンタルトリガー 2

第69話「遭遇」 ページ27

「あれ、鞍瀬じゃん。やっほー」


座敷の方に近寄れば奥にいたのは風間の乱心に全く興味を示していない寺島雷蔵。そして筋肉のついた大きな人。


戦場や交渉の場でも冷静な判断が出来た鞍瀬でも、目の前で起こっている事の理解ができないでいた。



『……とりあえず、本部及び区域外でのトリガー起動には目をつぶるのではやく解除してください』



寺島と風間を交互に見て、鞍瀬は頭を抱えながらそれだけを口にした。


それから店員の配慮もあって鞍瀬と烏丸は風間達と同じ座敷に案内された。



「風間のことは置いておいて鞍瀬はなんで烏丸と？

はっ………まさか！」


『まさかも何も、打ち上げみたいなものです』


「すみません。期待に添えなくて」


『ねぇそれとっても添えたくない期待なんだけど』



寺島と烏丸の悪ふざけにひとつずつツッコミのようなものを入れて、鞍瀬はひとつ小さなため息をついた。


それもこれも全て、置いておけないほど異常な風間蒼也の状態のせいである。



「そう言えば鞍瀬は、こいつらの事知らないよね？」



ふと風間の状態に気を取られていた鞍瀬に、寺島が声をかけた。


寺島がこいつらと言ったのはきっとキューブにされたらしい人と、筋肉の人だろう。



確かにボーダーの人みたいだが鞍瀬の知った顔ではなかった。



『はい』


「こいつらはまぁ俺の友達で、玉狛の木崎レイジと諏訪隊の諏訪洸太郎。全員21歳な」



『玉狛って事は烏丸の上司？』


「玉狛に上下関係はそこまでないけど……まぁそんなとこだな」



烏丸に確認をとってみれば木崎はそれを見て鞍瀬に「よろしくな」と挨拶をし、諏訪もそれに続き同じように挨拶をした。


どうやら常識人のようだ、と鞍瀬も好印象を持ちぺこりと頭を下げた。



『鞍瀬です。よろしくお願いします』



「鞍瀬……あっ！
お前どっかで見たことあると思ったんだ！昇格試験ん時空閑に続いてやべー結果出したヤツだろ！」



突然大声を出しながら指さしてきた諏訪に若干苛立ちながら、鞍瀬は一切の謙遜無く「そうですが」と淡白端的に答えた。

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