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第60話「白い瞳」 ページ18

そんな話をしていると開発室長が修復が終わったと自分のとついでに、鞍瀬にもコーヒーをいれてくれた。




「そういえば話題それるけど」



『?』



「その左目、そんな白かったっけ?」





そう寺島が鞍瀬の左目を見て言う。




入隊当初から鞍瀬は周囲の目線を集めていた。



勿論整った顔をしているということもあるが、理由はそれだけでは無い。


鞍瀬の左目は漆黒の右目とは全く異なり、濁った白のような色をしているのだ。




所謂オッドアイというやつだが、黒と白なんて聞いたことがなくあまり前例がない。
元々気になっている隊員は沢山いたが、大体がトリオン体の仕様だと勝手に勘違い+完結していたのだ。


空閑の白髪がスルーされるのが良い前例だろう。





「そう言われてみれば、以前はもう少し灰色寄りの色をしていたと思うが……」



『目……』





鞍瀬が自分の左目に眼球にダメージがいかないくらいに触れてみた。



すると寺島はコーヒーを飲み終えカップをテーブルに置くと正面から鞍瀬を見た。





「この際聞いちゃうけどさ、鞍瀬のその目ってなんかの病気とかだったりするの?」




『この瞳は、正直な所私にも何なのか分かっていません。医者は病気では無いと、かと言って原因も分からないと言っていました』





過去他人とは異なる瞳にひどく怯え、醜いと思っていた事があった。




だがそれも育つ自尊心の渦へと巻き込まれいつしか気にするに値しない事だと脳が判断するようになっていた。





( けどま、敢えて言われて気付いたけど……前よりも気持ち悪いくらい澄んだ白になってる )





近くに置いてあった手鏡をとって自分の目を見ればそこにはシルクのように綺麗な白い目があった。




「ふむ。そう言えば明日上層部に招集がかかったが、その調子で大丈夫なのかね?」




『……何故私だと?』




「議題が議題だったからな」





少しだけ鞍瀬は何かを考えたように言葉を詰まらせたが、すぐ真剣な表情に戻り鬼怒田開発室長の目を見た。





『その件も含めて、私のもうひとつの話を聞いてはいただけないでしょうか』






その言葉と態度に意志を感じた鬼怒田開発室長と寺島は大人しく聞くことを選んだ。

第61話「取引交渉」→←第59話「戦い方」



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黒瀬(プロフ) - カナデさん» 返信遅くなりすみません!待って頂けたなんて凄く嬉しいです!ありがとうございます!頑張ります! (3月3日 6時) (レス) id: b8635cad8f (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 更新再開嬉しすぎます!頑張ってくださいー!! (2月2日 2時) (レス) @page34 id: dcadc39e75 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - カナデさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんの言動は試行錯誤しているのでそう言って頂けると嬉しいです!更新頑張ります! (2022年8月25日 6時) (レス) id: b8635cad8f (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - この夢主ちゃんの性格めっちゃ好きです。これからも作品更新頑張ってください、応援してます。 (2022年8月24日 14時) (レス) @page22 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 夏目宮さん» 申し訳ありません。ご報告ありがとうございます。 (2022年6月10日 19時) (レス) id: b8635cad8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒瀬 | 作成日時:2022年6月7日 0時

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