陸 ページ9
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頭上にある憎たらしい顔をこれでもかというほど睨みつけ威圧をかけても目の前の、のっぽやろうは一向に頭を下ろさない。
このまま、何もできないのは非常に癪にさわるのでとりあえず自分の目の前にある悟の胸に向かって己の指をぶつけようとしたそのとき、
「あっ!」
という何かを見つけたかのような声とともに悟は先ほどまであれほど強く俺の腕にからませていた腕をするりとほどき、どこかに駆け寄っていった。
一人残された俺は、行く場所を失った胸の憤りを晴らすために、足元に落ちてあった空き缶をクソやろうの頭めがけて投げる。
しかしその空き缶は当たりもせずにむしろ何かに引き込まれるように次第に低速していき結局クソやろうの体には一ミリも当たることはなかった。
__まじであの術式消しさりてぇ
悟の後を追う気にもなれず近くの壁にもたれかかりおびただしい数の女からのメールを削除していると声をかけられた
「あのー、いまお時間よろしいですか?」
「....なに」
俺が答えると男は少し顔を明るくさせ、スーツの胸ポケットからおずおずと名刺を取り出す。
「わたし、こういうものなのですが、」
渡された名刺を受け取りちらりとみると、そこには芸能事務所和田プロダクションとかかれている文字がみえた
その名刺と男の顔を交互にみて
男の目の前でその名刺をビリビリと真っ二つに破る
その瞬間、男の顔がひどく歪んだ
「...で??」
「ひっ。も、申し訳ありませんでしたっ」
俺の顔がよほど怖かったのか、額に汗をにじませながら颯爽とその場を去っていく男の姿をみて地面にちらばった白い塊の残骸を革靴の底で踏みにじる。
少しばかり機嫌がよくなった俺は、そろそろ悟のとこにいってやるかと足を進めると、先ほどの男がまた別の女に声をかけているのが視界に入った
その場に立ち止まり、また断られてやんのと内心ばかにしながらみていると逆にその男に自分から声をかけていく女の姿がみえた
_まじかよ。やべぇなあの女。
顔のせいか、こういったことは幾度となく誘われてきたが、自分からスカウトマンに声をかけていくやつは今までみたことがない。
その女の姿に毛ほどの興味がわいたが
女がまとっている黒い服をみて面倒ごとに巻き込まれそうな気がしたので、みないふりをして再び悟のいる方へ足を運びはじめた
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月乃派(プロフ) - ハイキュー!!のを 解除してください。 (2022年3月16日 21時) (レス) id: 3dc0389d81 (このIDを非表示/違反報告)
高崎(プロフ) - コメント失礼します。クズなのに愛されてる五色くんが最高に愛しいです。。とても素敵な作品だなぁ、と思いながら読ませて頂きました。これからも応援しております…! (2020年12月5日 16時) (レス) id: c458e0c5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - 夢主くんのクズっぷりに少々ニヤニヤしてしまいます∩^ω^∩とっても面白いので無理をしない程度に更新頑張って下さい! (2020年11月29日 23時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
rinn0105(プロフ) - 那宇宙さん» ほんとに分かりにくくて申し訳ありません、差し支えなければどのお話か教えていただけませんか、?ほんとに申し訳ないです。 (2020年11月8日 13時) (レス) id: f29697a046 (このIDを非表示/違反報告)
rinn0105(プロフ) - 未羽さん» 男子同士の会話ってこんな感じなのかなって想像しながら書いてると、ついついその話題になっちゃうので不安に思ってたのですがそう言ってもらえてすごくホッとしました笑 これからもよろしくお願いします (2020年11月8日 13時) (レス) id: f29697a046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みりん | 作成日時:2020年10月28日 1時