拾弐 ページ15
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__場所は変わって六本木
はじめての東京観光にわくわくどきどきしているおのぼり組を五条が連れてきたのはとあるビルの前。
そのビルを見た瞬間、おのぼり組_虎杖と釘崎は笑顔から一変し、これでもかというほど顔を歪めた。
それもそうであろう。
2人の目のまえにそびえ立つのは、ただのビルなんかではない。明らかに曰く付きの禍々しい気配を放つ廃ビルであるのだから。
「「うそつきぃぃぃ!!!六本木ですらねぇじゃねえか!!」」
途端にギャァギャァと五条を責め立てる釘崎と虎杖
その2人とは対照的に、Aは顎に手を添えどこかをじぃっと見つめ始めた
そんなAを不思議に思ったのか伏黒が声をかける
「どうしたんですか?Aさん」
「んー、ちょっとな」
そう言ってAは、まるで気にすんなとでも言うように伏黒の肩をポンポンと叩き、虎杖に近づいた
「....おい。虎杖」
「ん?どしたの五色さん」
「__ ちょっと面貸せ」
Aはそう言うと次の瞬間、虎杖の額の上に綺麗な人差し指をトンッと置いた
いきなり目の前に現れた端正な顔立ちと長い睫毛から覗くアメジストのような煌めきを携えた赤い瞳に、虎杖は思わず息を飲む
二秒ほどたったころだろうか
Aは閉じていた目をゆっくりと開き低い声でつぶやいた
「__両面宿儺か」
そう呟いた後、Aは虎杖の肩をガッと掴み殺気を漂わせながら虎杖をにらむ。正確にいえば、虎杖ではなく虎杖の中にいる呪霊を、だが。
「てめぇ、それをどこで手に入れた...? 」
Aの纏うピリピリとした殺気が虎杖の肌に突き刺さる。虎杖は、まるで自分が南極の極寒地にいるかのような錯覚に陥った
「じ、実はさ___ 」
虎杖から明かされる事実に、今度はAが大きく目を見開いた。
両面宿儺は特級中の特級呪霊。その強すぎる呪力は呪霊にとっては甘い果実であるが、人間にはただの猛毒であるはず.....
それなのになぜ__
「__なんでお前は生きていられる...? 」
「それさよく言われるんだけど、俺、指飲み込んだだけだよ?それだけなのに死ぬわけないって」
「は...? 飲み、込んだ、?あの 指を?」
「うん」
何食わぬ顔をして頷く虎杖に、ひやりとAの背中に冷たい汗が伝う
一体、どうやって受体したんだと思っていたがまさか飲み込んだとは....
(_こりゃとんでもねぇやつが現れたなァ)
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月乃派(プロフ) - ハイキュー!!のを 解除してください。 (2022年3月16日 21時) (レス) id: 3dc0389d81 (このIDを非表示/違反報告)
高崎(プロフ) - コメント失礼します。クズなのに愛されてる五色くんが最高に愛しいです。。とても素敵な作品だなぁ、と思いながら読ませて頂きました。これからも応援しております…! (2020年12月5日 16時) (レス) id: c458e0c5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - 夢主くんのクズっぷりに少々ニヤニヤしてしまいます∩^ω^∩とっても面白いので無理をしない程度に更新頑張って下さい! (2020年11月29日 23時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
rinn0105(プロフ) - 那宇宙さん» ほんとに分かりにくくて申し訳ありません、差し支えなければどのお話か教えていただけませんか、?ほんとに申し訳ないです。 (2020年11月8日 13時) (レス) id: f29697a046 (このIDを非表示/違反報告)
rinn0105(プロフ) - 未羽さん» 男子同士の会話ってこんな感じなのかなって想像しながら書いてると、ついついその話題になっちゃうので不安に思ってたのですがそう言ってもらえてすごくホッとしました笑 これからもよろしくお願いします (2020年11月8日 13時) (レス) id: f29697a046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みりん | 作成日時:2020年10月28日 1時