第三十二話:ポアロで【勝手ながらも最終話】 ページ37
No side
_そして、夕方のポアロ。
玲佳は最近来れていなかったため顔を出しに来ていた。
店内には二人きり。
安室もとい降谷は玲佳が居る、カウンター席に珈琲を置くと玲佳を
じっ、と見た。
「?なんです?」
玲佳は何も言わない降谷を不思議に思い聞き返した。
「いえ、そういえば川崎と仲直りしたんですね。」
降谷の質問に玲佳は表情を緩めた。
「えぇ、今は良い助手として働いてくれていますよ。」
すると、その返事に降谷はむすっとした表情を見せる。
「え、どうしたんです、?」
玲佳は「何かまずいことを言ったか?」とでも言うように焦り始めたがそんなの降谷には関係ないご様子だ。
「先輩、情報屋してるんですってね?...............沖矢昴に聞きましたよ。」
にやっ、と口角を上げて話す降谷だが沖矢昴、というキーワードにはあからさまに顔を歪ませた。
まぁ、そこもこの男の可愛いところなのだが。
「そうですか。........まぁ、心配しなくても私は沖矢さんよりも貴方の方が好きですけどね。」
次の瞬間、降谷はフリーズした。
玲佳は予想通りの反応にくすくすと笑う。
「え、は?え、?」
やっと溶けた、と言っても降谷の頭の中はこんがらがったままだ。
そこに更なる爆弾を落とす。
「...降谷くん、好きですよ。」
次は、もう完全に氷ってしまった。
「................っ!?...え、本気で言ってます...?」
「はい、本気ですよ?」
・・・・
たっぷり間をとって約二分、漸く降谷が口を開いた。
「.....俺も、..好きです、先輩。」
ー ENDー
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