第十六話:謝る ページ20
藤咲玲佳が学校を休んで数日、俺はまだヒロと仲直り出来ていない。
謝りたいと思っているがヒロに嫌われるのが怖い..というところがなかなか謝れない理由だ。
手元にある傘を見る。
弱気になってちゃいけないと学校へ向かうために、家を出た
(今日こそ謝りたい)
「おーい!ゼロー!一緒に行こうぜ!」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
反射的に振り向くとそこにはいつもと変わらないニコニコ顔のヒロが立っていた。
(なんで....怒ってないのか...?)
なんて俺の心情には構わずにヒロはいつの間にか俺の横。
「っ...怒ってないのかっ..?」
気がつくと自然に出ていた。
「?怒るわけねーじゃん、あれは俺にも非はあったし」
優しい顔をしていう景光。
「ごめんっ..!..」
「もういいって〜そんな顔してたら不細工になるぞ〜」
ケラケラ笑う姿に俺も一緒になって笑った。
〜〜〜
玲佳side
風邪をひいて三日目。
博士につきっきりで看病される毎日である。
(博士には迷惑掛けたなぁ)
突然携帯の着信音が流れた。
パカッと開くと降谷零からのメールだった。
実はこの前こっそりメルアドを書いた紙を彼のポケットに忍ばせておいたのだ。
画面を見ると“仲直り出来ました”のたった八文字。
(仲直り出来たのか..良かったですね。降谷君)
更に画面をスクロールさせていくと
ps.早く風邪直して下さいね。
彼らしい素気ない文章に自然と笑みが込み上げてきた。
思えば、私は彼らと出会ってから笑えるようになったのだ。
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