#眠り姫 ページ4
目が覚めたら、朝だった。
窓から微かに差し込む光が、朝を告げる。
昨日泣き腫らした所為か、妙に瞼が重い。
「……見舞い、行った方がええんかな」
誰に当てることもなく、呟いたひとりごと。
枷を嵌められたみたいに重い足を動かす。
鏡を見ると、いつもの元気さのかけらもない、惨めな自分が映った。
トレードマークの真紅の髪は荒れて、頬に涙の跡。目は真っ赤に腫れている。
「……こんなんじゃ、Aに会えんなぁ……」
また一筋、涙が伝う。
***
数日すると涙も乾き、もとの容姿に戻った。
見舞い、行ってみようかな。
今にも溢れ出しそうな罪悪感を胸に押しとどめて、
僕は家を出た。
***
病室のドアにかけた手が震える。
駄目やなぁ、僕。
話さないと。いや、話したい。
Aと、話がしたい
僕は、ドアを開けた。
がらがらと響く音が何故か恨めしい。
久しぶりに目にした君は、真っ白な箱の中にいるみたいだった。
目に映るもの、全てが白。
ベッド、洗面台、カーテン……….
その中心で、規則正しい寝息をたてて、君は眠っていた。
セミロングの黒髪、白い肌。紅い唇。
白い服に身を包んで。
「……なんだか、眠り姫みたいやなぁ」
君の真っ白な頬を撫でながら、僕はそんな場違いなことを考えていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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嘘/ライ(プロフ) - HKR19960226さん» ありがとうございます……!これからも、皆様に喜んで貰えるような作品を作れるよう努めていきます。 (2018年11月24日 18時) (レス) id: f13e7dfc49 (このIDを非表示/違反報告)
HKR19960226(プロフ) - 涙が止まらないです…素敵な作品でした。 (2018年11月11日 4時) (レス) id: 9c78cc556f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:嘘/ライ | 作成日時:2018年9月20日 20時