【MHA/d.!】無腕の女王様2 (ページ37)

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続:表彰式ページ37

次にオールマイトは轟の前へ歩いて、彼の目を見た
…堀が深くて目が合っているのか分からんが

オール「轟少年、決勝で左側を収めてしまったのは
　ワケがあるのかな？」

轟「…緑谷戦できっかけを貰って分からなくなりました。
　けれどあなたが奴を気に掛けるのが、分かった気がします」

少し俯いて答えたけれど、彼は段々と
オールマイトの目を見るように顔を上げた

轟「あなたのようなヒーローになりたかった…
　ただ、俺だけが吹っ切れてそれで終わりじゃダメだと思った
　……清算しなきゃいけないものが、まだある」

オール「うん…顔が以前と全然違う」

オールマイトは轟の答えに満足げに頷き
その大きな体で小さな体を抱きしめた

オール「深くは聞くまいよ…
　今の君なら、きっと清算できる」

大きな体の中から轟のはいという返答が聞こえた

オール「さぁて爆豪少年っ…と、これはあんまりだ」

二位の台に移り、爆豪の口を塞ぐマスクを外した
今にでも噛みつきそうな勢いだが

少しでも落ち着いたのか、ギャンギャン吠えることはしなかった

オール「選手宣誓の伏線回収、とまではあと一歩で惜しかった！
　それでもここまで来れたことを誇っていいんだぞ！」

爆豪「…オールマイトぉ…！」

うわっ、爆豪の目尻がどんどん鋭くなっていく…！
ヴィラン顔がただの凶器顔に…！

爆豪「こんなのぉ…本気で戦われてねぇのに
　二位の価値もねぇんだよ！！世間が認めても！
　自分が認めてなきゃゴミなんだよォ！！！」

顔スゴ…

オール「…うんっ、相対評価され続けるこの世界で
　不変の絶対評価を持ち続けられる人間はそう多くない
　…メダルは受け取っとけよ。
　自分の傷として、決して忘れぬよう！」

爆豪「いらねぇよ！！！」

そう言って銀色に輝くメダルを
爆豪の首にかけようとするが拒否されつつも
まあまあ、と無理矢理…力技で口にはさむ形で授与した

オール「さあA少女！圧巻の戦いっぷりだった！」

『ありがとうございます』

オールマイトによって
金色のメダルが首にかけられる

オール「一年の最優秀者として、
　皆を引っ張って行ってくれるととても嬉しいよ」

『ええ是非、お節介を焼くのは得意ですから』

オール「ありがたい！キミはきっと良い…
　良い指導者になるよ！！」

今、私達がヒーローにならないと分かった上で
ヒーローという言葉を使わなかった…？

ふうん…意外とよく見てるんだな…

こうして、今年の雄英体育祭は終わった。