【銀魂】明日消えゆく運命でも【土方十四郎】

三十四刀目　　「好き」というのもほどほどに ページ34

「んで…なんで俺がここにいるんだ」
「仕方がないじゃないですかー…十四郎さんを1人部屋に置いていけません」


まだ熱の下がらない十四郎さんを壁にもたれかけさせガサゴソと冷蔵庫を漁る
昼食過ぎだからか台所には私と十四郎さん以外誰もおらず外からは稽古に励む隊士たちの声が微かに聞こえてくる｡
稽古をつけているのであれば当分帰っては来ない｡これはラッキー


さっさとお粥作って部屋に戻ろう



「冷凍ご飯とかないんですか？」
「あるわけねーだろ」

「お母さん的存在なキャラぐらいちゃんと置いといてくださいよ」
「どんな採用の仕方だ」


十四郎さんがお腹がすいたとか言い出して私が作ってあげようということになったのに冷蔵庫の中にお母さんがよくやるラップに包まれた冷凍ご飯がなく代わりに無意味なほど未開封のマヨネーズが詰め込まれている

だーれがこんなにマヨネーズ使うんですか｡マヨネーズ王国の住民ぐらいですよ｡
なんて心の中で毒づきながら奥の奥まで手を突っ込む




「…なにこれ？」




出てきたのは使い込まれて所々汚れた書物
題名を書くところは掠れていて定かではないが日記と書かれている気がする

誰の日記だろう…？
なんの悪意もなくペラペラと適当なページをめくり止める



「なっ…!!
十四郎さん十四郎さん!!大変です！この隊の中に変態がいます!!変態というか…病んでます!!今すぐにカウンセラーに…!!」

「待て待て…急になんだ」
「なんだじゃありません！これを見てください!!」



問題のページを十四郎さんの目の前に突きつける
書かれているのはどこぞの女性の1日を隅から隅まで書き込まれた日記｡その内容は明らかに第三者目線で、同じ女性の名前を連呼して最終的には女性の名前を殴り書きで書き込まれている

これはもう愛してるとかそういうレベルではない｡
好きとか大好きとかではない｡そんな純粋なものなんて思えない｡

いや、好きとか純粋なのかどうか知らないけど…!!



「落ち着け｡これは放っておいても大丈夫だ」
「なにが大丈夫なんですか!?これ明らかにストーカーの日記ですよね!?」



問い詰めると「まぁ…そうだが」と答えに困っているようだ



「十四郎さん…これ誰が書いたのか知ってるんですか？」
「…とにかく、その日記は俺が預かる」

「なに言ってるんですか！あ、もしかしてこの日記十四郎さんの…」
「なわけねーだろ」

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