【銀魂】明日消えゆく運命でも【土方十四郎】

二十八刀目　　夏が近いです ページ28

「副長って言っても見回りとか行くんですね」
「あたりめェだろ」
「ひたすらに書類書いてるもんだと思ってました｡私」

「そりゃ1つ頭がよくなってよかったな」



ぽかぽかと暖かい梅雨の昼間｡
梅雨の季節だというのに雲が少なく夏に近い日差しが降り注ぎ少し人だったら暑いと感じるぐらいに

ちなみに私は何も感じないけど。幽霊ですから、当たり前なんですけどね｡
だけど隣にいる十四郎さんを見ると少し暑そうにしている


もうすぐ夏だというのに黒のズボン、革のジャケットとベスト、さらにその中に白のワイシャツ。
そんな服装でこの夏を越せるのかどうか少し心配である｡

ちなみに私は万年この白い着物に水色の帯のなんの変哲もない着物でぱっと見たら雪女を連想させる姿
いい加減この服装に飽きてきたけど着替えようと思っても着替えられないから仕方がない。永遠とこの雪女ファッションの王道を貫くしかないのだ



話がそれてしまったが今は見回りの最中でならず者が集う地歌舞伎町に来ている。
歌舞伎町。ここに来るのは初めてではなく生きている時も幽霊になったときも何度か訪れたことがあって今もまだあるのかは知らないけどそれなりの穴場スポットも知っている

だけど隣の人に言うつもりはまったく、これっぽっちも、微塵もない。
この間は確かに自分の手で楽園を壊したけど…それは十四郎さんの命と自分の楽園を天秤にかけた結果であってほかの人だったら絶対にしていない。


もうこれ以上私の楽園を壊されてたまるか!!
という私はもう2度と言わないだろう。…十四郎さんの昇進がかかっているのであればまた話は別であるけど



「特になにもないですねー…」
「それが普通だ」


右を見れば奥様がたの立ち話。左を見ればガキんちょ達が遊んでいる。
なんとまぁ絵に書いたような平凡な街。昔だったらこんなんじゃなかったのにねぇ…。




「あれ？十四郎さん。こんな店ありましたっけ？」



指をさしたのは「スナックお登勢」の上に看板を掲げられた「万事屋銀ちゃん」という店
私が最後に来た時にはこんな店なかったはずなのに…



「ありゃほっとけ」
「え？どうしてですか？」



そそくさに万事屋の店から逃げようと足を速める十四郎さん。
十四郎さんが関わりたくもない店だなんて…興味はあったけど十四郎さんに置いていかれるのはごめんだったので私も万事屋銀ちゃんから離れた

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