メトロノームよ止まれ (ページ1)

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一話ページ1

...キーンコーンカーンコーン...

「きおつけー。れーい。」「さよーならー。」
その音を合図に自分は駆け足で教室を出る。

先生に注意され、謝りながらもひたすら走る。

階段を降り、管理棟にある目的地へと向かう。
渡り廊下からは炎天下のなか、部活を始めようとしているサッカー部や陸上部が見える。
そんな風景を横目になおも走り続ける。

階段を一段飛ばしで三階分駆け上がる。
こけそうになり、息が上がる。顔が赤くなり、汗が頬をつたう。
でも口元は笑顔が浮かんでいる。

目の前に目的地が見える。

1番ききたかった音が聞こえる。

...トロンボーンの音。

どこまでも響く音。
自分の心を揺さぶる音。

とても綺麗な音。

音楽室の扉を勢いよく開けると

いた。

窓際にたち、風に髪を靡かせながら、とても気持ちよさそうにトロンボーンをふいている。
とても綺麗で美しく、絵になっている。そんな彼女を呼吸を整えるのも忘れてみとれていると、彼女はふわりと振り返る。
そして、少しびっくりとした顔をしながら、こちらをみて微笑む。

「あ、来たんだね！こんにちは希君！」

あぁ、急いできてよかった。そんなことを思いながら自分も元気よく挨拶する。

「こんにちは茜先輩！」

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まだ、もう一話分ぐらいだけ続きます。
少なくてすいません。