吐いたのはお花『花吐き病』 (ページ16)

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パイナップル『完璧』ページ16

「やぁ、こんばんは」

ニヤリと笑う吸血鬼、あれは私にナイフをくれたやつではないか！
あいつがミカの家族を殺したのか

そう、ミカはここで家族を殺されたのだ
自分も含め

「行けよ……馬鹿！」

「……ッ」

「ははーん、逃げちゃった」

ここで一気に場面が変わる。
真っ暗な場所、後ろに扉があるのに気付かず泣いている。
そうか、彼は出口があるのに気付かず迷路を彷徨っている最中なのか

『ねぇ、ミカ』

「お姉ちゃん誰？」

『私はA、ミカを知っている人だよ』

「人？」

泣いているミカに近づくと優しく撫でてやった
それでも彼は泣き止むことを知らなかった。
仕方あるまい、必殺! 抱きつき攻撃だ

『おいで』

「ひゃっ……」

可愛い声を上げる彼だが、知らぬうちに私の腰に手を回し泣いている。
なっと泣き止むことを知ったのか顔を上げる彼

ニコリと笑うと頬を赤らめた

『出口はあっちだよ』

「で…ぐ……ち？」

『そう！二人で行こっか
さぁ、手を掴んで』

手を掴む姿は優ちゃんにすっごく似ていて可愛いなぁ。
なんだ、本当の双子みたいじゃない

足をガクガク揺らす彼を優しく撫でて甘やかすと私は扉を開けたのであった。

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「A？」

『やっと起きたの？てっなんで泣いてるのさ
ほら……おいで』

今度のミカは素直に私に抱きついて声を少し漏らしながら泣いていた。
我慢なんかしなくてもいいのに、まぁ男の子だもんね？仕方ないか

『フフッ、起きたと思ったのに一日中泣くなんて甘えん坊なんだね』

「煩いっ！」

『よしよし』

「ッッ…！」

グレン、吸血鬼の養子は手なづけたぞ
これで満足か？私はこんなことせずにもっとちゃんと向き合いたかったなぁ。
今日の1日はなんか悲しいね