引越しを考えています【吉沢亮】

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『.....岩がっ...！！...あれ...』





夢か...




中村「岩がどうした？」


『...夢です...大岩がぶつかってくる』



中村「とんでもねぇ夢だな...」

『本当に...』




ベッドから起き上がってまた机に向かう。




中村「朝飯食ってからにしろ。ぶっ倒れるぞ」


『でも...今日中に構成図送らないと...』



中村「飯食ってからでも十分間に合う。お前最近気張りすぎ」


『...はぃ』






ドラマ化に向けて監督や制作部はどんどん動き出している。


著者である私がしっかりしないでどうする。



そのせいで最近追い込まれる夢ばかり見るわけですが。





『うぅ...明日はきっとアメフト選手にタックルされる夢を..』


中村「想像力豊かなのは結構だが早く飯を食え」





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『..ふぅ...』




何とか提出書類をまとめ、中村さんに託した。



ベランダに出て普段飲まない缶ビールを開ける。




『...はぁ』



亮「..ちーちゃん？」



『っ！？よ、よよ、吉沢さん...』


亮「ふふ、ビール？」




仕切り越しに話すのは二度目。


顔は見えないけど少し呂律が回っていないのがわかる。





『はい...よ、吉沢さんもですか？』


亮「うん。俺は焼酎」




焼酎...


見た目にそぐわないものを...






亮「ちーちゃんビールなんて飲むんだね」


『普段は全然...』





吉沢さんは神様か何かなのだろうか。


私があまり緊張しないで話せるなんてありえないと思ってたのに。

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