冬の約束

7 行方不明 ページ7

翌日


昼になっても大ちゃんは現れなかった。
先生は欠席ともなんとも言ってなかったし、
もしや電車に乗ってわけの分からない駅まで行っちゃって絶賛行方不明中なんじゃないか?!と心配になった俺は、職員室までやってきた。


「失礼しまーす」

「なに？！行方不明だと？！」
「一体どこに行ったんでしょう…」
「早く探さないと！！」

入った途端、室内は物々しい雰囲気だった
行方不明！やっぱり大ちゃん行方不明なんだ！俺心当たりがあります！
慌てて入ってくと一人だけ座って呑気にカップラーメンをすすってる先生がいた。


「ん？きみ、どうかしたの？」
「え、あの、行方不明って聞こえて…」
「あぁ、行方不明なんだって。ウサギが」
「は？」
「飼育小屋のウサギ。逃げたんだって」
「ウサギ?!」

ずるずる。あ〜うま。これ美味いよねぇ。
緑のたぬきを味わって満足気。
なんだこの先生……
てゆーか、行方不明ってウサギなの？？
大ちゃんじゃなくて？

「薮先生っ！呑気に食べてる場合じゃないですよっ！」
「はいはい、食べたら探しに行きますから」

ほかの先生に注意されても呑気に返事して、
やぶ…あ。この先生、春に赴任してきた先生だ。入学式後に転任式もあって、そこで挨拶してた覚えがある。


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