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ゆっくりと立ち上がったシャオロンはいくつか冷静さを取り戻したそうだ。
かちり
…え？
「すまんな、取り乱したわ」
『ね、ぇ、なに、その、拳銃』
「俺は、〇〇のことが好き。」
『…………は？』
「初めて出会った時からずーっと、好きなんや」
『何言って…』
「中学の頃、お前俺から距離とったやろ？」
sha「あれが苦しくて、つらくて。他の女で埋めようかと思ったけど、どうしても無理やった」
一歩、また一歩とシャオロンは近づいてくる。
「そんな時に出会ったのがアポローン様や」
昔を思い返しているのか、彼の瞳はギラギラと光っていた。
とんっ、と壁の感触。もう後ろには下がれない。
「アポローン様は俺に、お告げをしてくれてな？この指輪までくれたんよ」
シャオロンは私にその指輪を押し付ける。
「左手の薬指、つけて。〇〇がすることはそれだけでええから」
『いやだ、絶対に嫌だ！！』
押し付けられた指輪を奪い取り、壁に投げつける。
甲高い音をあげ跳ね返ったそれは、運の悪いことにシャオロンの前に落ちた。
シャオロンはそれを拾い、私の左手首をえげつない力で掴む。
先程も掴まれた場所だったため、恐怖と痛みで限界を超えた痛覚は救いを求めて涙を流した。
『ねぇ！シャオロン！そんなことしても私はシャオロンのこと好きにならないから！』
『お願い！やめて！！！』
しかしこの畜生はそれを気にすることなく指輪をはめる。
「痛いやろ。でも俺は何年も待たされてお前よりずぅっと辛い思いしてんのや」
シャオロンは指輪をもう一つ取り出し、自分の指にはめる。
「でも、そんなことも今日で終わりや」
「それじゃあ、また後で。俺もすぐ逝くから黄泉の国で会おうな」
『やめ』
最後の救いを求めて出た言葉はシャオロンの唇に吸われて消えた。
それから覚えていることといえば、大きな音と硝煙の匂い。
それと、醜く釣り上がった彼の口角だった。
ーーー
ーーー
続いてはニュースの時間です。
大学生の男女2人が行方不明となっております。
行方不明になっているのは××大学に通うシャオロンさんとAさん。
昨日14:00頃に勉強会をするという名目でシャオロンさんの家に集まった2人でしたが、20:00頃にシャオロンさんの母親が声をかけると2人からの応答はなく、扉を開けようとすると鍵がかかっていました。
部屋の鍵を開けて中を確認すると2人の姿は消えていたとのことです。
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りんご(プロフ) - ぼうっきれ、とうさん» ぼうっきれ、とう様 コメントありがとうございます。気に入ってもらえたようで何よりです…!ぼうっきれ、とう様の作品もいつも楽しませて頂いています。これからも更新頑張りますので応援していただければと思います！ (2021年9月19日 20時) (
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作者名：りんご | 作成日時：2021年9月17日 14時
