平穏2 ページ10
ふっと零さんが見た方向に目をやると、音楽室が目に入った。入口の窓からは椅子や黒板、ピアノや肖像画など、音楽室らしいものが覗き見れた
『ひとりぼっちだった私のところに、零さんがバイオリンを持って来てくれたんですよ…………』
｢ははっ、お前、めっちゃ興奮して、子供みたいに凄い凄いってはしゃいでたよな？｣
『ま、まだ覚えてたの？』
｢おう｣
『わ、忘れて！恥ずかしいよ……///』
｢ヤダね。忘れねーよ｣
『えぇ！？』
と、しばらく楽しい時間を過ごしていると、
？？:｢んーー！だァァァ！！！！｣
オレンジ髪の子が音楽室から飛び出してきた
零:｢おやおや、月永くん、久しぶりじゃのう｣
レオ:｢ありがとう零！それから、紫の子！｣
『Knightsの………』
レオ:｢そうそ、Knightsの月永レオだ！お前は確か……同じ3年の………落ちこぼれ？だったような｣
『ひ、否定できないけど…………』
零:｢月永くん、ありがとうというのは、どういう意味じゃ？｣
レオ:｢そうだった！お前たちのおかげで良いインスピレーションが浮かんでさ！ほら見ろ！名作だろ！俺って天才！！｣
《やっぱり、夢ノ咲学院の3年生、不思議な人多いなぁって、え？インスピレーション？まさか……》
『も、もしかしてずっと見てたの？』
レオ:｢え？うん。そーだけど｣
『………』カァァ///
レオ:｢音楽室にいたら、お前たちが来て、旋風のごとく不穏だった空気が愛へと移り代わったじゃないか！これを音にせずにはいられないだろ！｣
零:｢ふふっ、相変わらずじゃのう。月永くん。して、曲は凄いが、歌詞は出来ているのかえ？｣
レオ:｢もうちょっとで出来そうだ！だから、出来たらそこのお前にやるよ！｣
『えっ、わ、私？』
レオ:｢あっ、嫌だった？｣
『う、ううん！嬉しい！けど……私、才能ないし、こんなすごい曲、わたしにはもったいないよ』
レオ:｢いいのいいの！インスピレーションを湧かせてくれたお礼！じゃ、出来たら渡すからなー！｣
そう言って、レオさんは去って行った
それから数日は平穏に過ぎていった
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作者名：クテシフォンらるるんらるる | 作成日時：2021年5月12日 7時
