35話 ページ36
近づかないように、と意識すればするほど、上手くいかないらしい。
｢こんばんは、Aちゃん。偶然だね｣
バイト終わりに歩いて帰ろうとしたら、まるで狙っていたかのように、立っていたのはひかるくん。
喫茶店でバイトをしているのだが、今日はたまたま早く上がらせて頂いたので、帰ってキヨさんの動画を見ようと意気込んでいたところで、これだ。
｢……こんばんは、ひかるくん。お疲れ様です｣
出そうになったため息を飲み込んで、愛想笑い。
在り来りな言葉で返すと、ひかるくんは疲れてるの？と心配してくれた。
でもその目は笑っていない。
本当は適当に理由を装って帰ろうとした。でも、彼はしつこいし私の嘘を見破れる。
あからさまに避けるのも彼の周りの環境を思うと出来なかった。どこで変な噂を流されるかわかったもんじゃない。
大学くらいは平和に生きたいと必死こいて作った環境をぶち壊されるのだけは勘弁して欲しかったのだ。
｢この間はごめんね？御影に死ぬほど怒られちゃった。でもさぁ、Aちゃんのことを思って俺言ったんだよね｣
こんな夜にバイトの裏口で待っていたということは、鈍感な私でもわかる。
すごく嫌な予感がするから、スマホを握りしめていた。
｢いえ。ただ、今後ああいうことはやめてください。私も、付き合ってる人にも、ひかるくんにもよくないですから｣
｢…………ふうん｣
ひかるくんの目が、どす黒くなった気がした。私は色覚異常で、よく分からないはずなのに。そして、面白くなさそうに声のトーンを落としているひかるくんが、怖い。
｢その彼氏と、進んでるんだねぇ。ねえ、そいつうまいの？｣
下品で、気持ち悪いと思った。うまいとか、うまくないとか、そんなの聞いてどうするつもりなのだろう。
｢………っ、なんでそんなこと聞くんですか｣
ただ、相手に乗せられて頭がパニックになってはだめだと、冷静を保つ。
絞り出した声は、震えていた。ひかるくんはもちろん気づいてるんだろうけど。
｢やっぱさ。俺聞くんだよ。体の関係が上手くいってないやつって、結構続かないらしくて｣
ざり、とひかるくんは1歩近づいた。私は、帰り道の方に背中を向けたまま、1歩下がる。
｢女の子って愛されたいから、結局そういうのが大事になるんだよね。気持ちよくないとやる気出ないし、イチャイチャも楽しくねえもんな｣
｢………結局、何が言いたいんですか｣
｢俺に乗り換えよ？今すぐに｣
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りんご(プロフ) - ちょこれえとさん» すみません、返信遅くなりました。好きになったと言って頂けて嬉しいです。これからも自分のペースで頑張っていきます！ (2020年3月6日 13時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれえと(プロフ) - めっちゃ面白いです！キヨのこともっと好きになれました！ これからも頑張ってください！！ (2020年3月3日 13時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - みんさん» ありがとうございます！1番好きと言っていただけて嬉しいです。自分のペースで頑張らせていただきますので、これからもよろしくおねがいします！ (2020年1月31日 23時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - はじめまして！いつも拝見させていただいています！たくさんあるキヨのお話の中で一番好きです(^^)vりんご様のペースで頑張ってください。陰ながら応援してます！ (2020年1月31日 18時) (レス) id: c336b5de5e (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントをいただけて嬉しいです！年齢制限の方は別サイトになると思いますが、前向きに考えますね。ありがとうございます。 (2019年12月13日 19時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2019年12月10日 14時
