1話 ページ2
目が覚めた。
ひやり、と毛布から出た足が寒くて、身震いする。
冬も本格的になってきて、朝起きてから布団から出ることも辛い時期になってきた。
……あれ、この毛布私のじゃない。
｢……あ、｣
そこまできて、ようやく思い出す。
そうだった、わたし、昨日。
………キヨさんの、お家に泊まったんだった。
｢………っ、｣
もう、何回も泊まってるのに。
朝起きて、近くに彼の大きな体があるのを意識すると、恥ずかしくてたまらなくなる。
まだ寝息を小さく立てている彼の背中に張り付く。
子供のように、体温が温かい。
大きな背中だなぁ、と何となく手持ち無沙汰と、目が覚めたので、そっと指を置く。
き、よ、さ、ん。
とそのままなぞった。
｢……き、よ、さ、ん｣
｢あ、起きてたんですか｣
なぞった文字が、低い声で読まれた。
んー……と寝起きのキヨさんは、小さく返事。
｢おきた、いまので｣
｢それはごめんなさい。大きな背中があったから、つい｣
ぐるん、と回転して、こちらを見てくるキヨさん。
寝起きだからか、目がとろんとしていた。
それでも、布団を私に被せてくれるところが、優しい。
｢……もう昼か｣
そのまま、長い腕を伸ばしてスマホを確認する。私にも時間を見せてくれる。
土曜日、朝11時半。
｢そろそろ起きますか？｣
｢………そうだな、｣
しかし、スマホをまたベッドの近くのテーブルに置いたキヨさんは、私を離す気がない。
｢……きよさん？｣
｢……もうちょっと、こうしてたらだめ？｣
背中に回される腕。
｢寒いし、エアコンいれるからさ｣
｢……部屋が暖まるまで、ですよ｣
ぴ、とエアコンの音がする。
キヨさんは私にその後、覆いかぶさってきた。
そして、私にキスをしてきた。
｢………ふは、顔真っ赤｣
唇を離して、こちらを見てくるキヨさんは意地悪な顔をしていた。
｢キヨさんが、かっこいいのが、悪いんです｣
｢お前さぁ｣
……ほんと、そういうかわいいのだめだって。
有無を言わさずに、もう一度キスをされた。
舌を入れられて、体がわかりやすくびくんと震えた。
｢……だめ？｣
｢……そういう聞き方ほんとにずるい｣
ふは、とキヨさんは笑った。
｢俺は元々ずるいんだよ｣
私の頬を撫でる手がとても優しかった。
そして、エアコンが部屋をあたためても、私たちはベッドから出ることがなかった。
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りんご(プロフ) - ちょこれえとさん» すみません、返信遅くなりました。好きになったと言って頂けて嬉しいです。これからも自分のペースで頑張っていきます！ (2020年3月6日 13時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれえと(プロフ) - めっちゃ面白いです！キヨのこともっと好きになれました！ これからも頑張ってください！！ (2020年3月3日 13時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - みんさん» ありがとうございます！1番好きと言っていただけて嬉しいです。自分のペースで頑張らせていただきますので、これからもよろしくおねがいします！ (2020年1月31日 23時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - はじめまして！いつも拝見させていただいています！たくさんあるキヨのお話の中で一番好きです(^^)vりんご様のペースで頑張ってください。陰ながら応援してます！ (2020年1月31日 18時) (レス) id: c336b5de5e (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントをいただけて嬉しいです！年齢制限の方は別サイトになると思いますが、前向きに考えますね。ありがとうございます。 (2019年12月13日 19時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2019年12月10日 14時
