41話 ページ41
えみちゃんと別れて、キヨさんに電話をかけた。
トークで、終わったら電話してとキヨさんに言われたからである。
コールは3回で出てくれた。
「もしもし、」
『おー、お疲れ。あのさ、もう俺らお店来てるんだよね』
「はい」
電話の向こうからじゅーじゅーと焼く音が聞こえる。
『俺お店の前で待ってるから、タクシーで来てくれない?お金はお前のタクシー来た時に払うわ』
「え、そんな」
『いいから金くらい払わせろ。ってことで、会場の入口ででタクシー待たせてるからさっさと乗ってあげて』
と、辺りを見渡すと、確かにタクシーが一台止まっているのが見えた。
『○○で予約してるから、名前言って。行く場所も伝えてるから』
そう言ってキヨさんは電話を切る。
私は言われた通り、タクシーに近づいて名前を言い、乗り込んだ。
✱
少し町外れにある焼肉屋さんだった。
目の前に長身の青年が立っているのも見える。
向こうもこちらに気づいたのか、ドアを開けるように促されて、運転手さんにドアを開けるように頼んだ。
「すんません。お金俺がはらいます」
後部座席からキヨさんが少し乗り込んできて、お金を渡す。運転手はそれを手早く数えてお釣りを渡してくれた。
「ありがとうございました」
荷物を持って、私がお礼を言って降りると、タクシーはすぐ行ってしまった。
キヨさんは財布にお釣りをしまって、私の方を見る。
「さて、行くぞ。寒いしな」
「すみません、待たせてしまって」
「いや別に。こっちこそ急でごめんな」
がらりとキヨさんはドアを開ける。
店員さんに1人増えたことを軽く伝えて、私はその後ろをついて行った。
個室のドアを開けると、そこには3人の男性が既に焼肉を始めていた。
「おー!!きたきた!」
「お肉追加するかぁ」
「こんばんは」
「ここ座って。俺隣でいい?」
色んな反応を会釈で返すしか出来なかった。
とりあえず、と言った感じでキヨさんに聞かれて頷く。私は掘りごたつの中に足を入れて座り、キヨさんも隣に腰を下ろした。
「自己紹介は飲み物頼んでからにしよ。はい、メニューね」
キヨさんが長い腕で遠くにあったメニューを取ってくれる。
私はそれを見る。
「お酒頼んでもいいですか?」
「いいよー。俺らも頼んでるし」
黒縁のメガネの人が
「だってさ、何飲むの?」
キヨさんに聞かれて、ファジーネーブルと答える。
「りょーかい。俺緑茶」
注文は茶髪の人がタブレットでやってくれた。
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです! (2019年11月21日 18時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました!キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね! (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご | 作成日時:2019年11月10日 20時