39話 ページ39
コンサートの曲は、最近のドラマの主題歌とか、アイドルの曲とか。
勿論、クラシックなども幅広くやる。
元々、人前で演奏する技術を磨くために定期的にやるようになったコンサート。
しかし、思ったより地域の人からの評判が良くてこうやってホールでやることになったという経緯があるみたいだ。
『ちなみにこのアイドルの曲、有名なクラシック曲使われてるんですよ。たとえばこのメロディー』
って、たまにマイクを持ちながら軽く曲の紹介をしたり、アレンジをしたりする。
今回は、キヨさんの好きなアイドル曲を紹介しながらピアノで演奏した。
まあこれはとっておきよりはそんなに難しくないし、元々決まっていた曲である。
キヨさんが好きだと動画で知ってからアレンジ増やしたけど。
『えみちゃん、ヴァイオリンでAパート弾いて』
『はーい』
『それでこれにこのピアノを合わせると一気に変わるんですよ。すごくないですか？』
実は大学でこんなことをやっているという紹介もかねている。
そのため高校三年生のお客さんも多いのだ。
とまあ、進んでいき、ラスト20分まできた。
それは、取っておきを披露する時間が来たということである。
ラスト20分は、私が基本的にソロでエレクトーン演奏を10分やったあと、全員で残りの10分を演奏して終わることになっている。
『では、エレクトーンの演奏に移らせていただきます。えー、今年は新しい試みをさせていただきました。今回は、ゲームの曲メドレーをやります』
おおー、と高校生や若い人達の声が客席から聞こえた。
『最近私、ゲーム実況っていう動画を見始めたんですけど、その時にゲームの曲に目がいってしまって。ゲームの曲ってめちゃくちゃ面白い曲があるんですよ。あとリズムも独特で、エレクトーンで弾いたら面白そうだなぁって思って、今回アレンジしてみました。色々なジャンルの曲あるので、お気に入りがあったら教えてくださいね』
と言ってマイクを切って、近くに置く。
エレクトーンを準備して、鍵盤に手を置いて、深呼吸。
そして、最初の音を弾き始めた。
✱
『ありがとうございました』とお礼を言うAの顔は、自信に溢れていた。
｢……きよくん、とんでもない子を捕まえたんやな｣
隣にいたレトルトがはぁ、と感嘆の息をつきながらキヨの方を見る。
｢まだ、捕まえてない｣
｢いや顔真っ赤やなぁ、お前｣
キヨは片手で顔を抑えていたが、顔の赤さは隠しきれていなかった。
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです！ (2019年11月21日 18時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました！キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね！ (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2019年11月10日 20時
