37話 ページ37
そこから数日後。
コンサートの曲の内容変えたり、最終調整をやって。
ついに、本番がやってきた。
今は始まる1時間前。最終チェック中でリハーサルもやっている。
｢A〜、エレクトーンの音の調整したいから弾いて〜｣
｢はーい。えみちゃん今日は気合入ってるね？｣
会場の小さなホールには、私含めて演奏に関わる大学生が7人。
ドラムやヴァイオリン、ピアノやエレクトーン、フルートやサックスなどいろんな楽器で好きに演奏するのがこのコンサートの趣旨である。
｢この後彼氏とデートするから、トラブルなしに終わらせたいんだよ｣
気合入ってる理由を本人に聞くと、同じゼミでサックスが上手なひかるくんが答えてくれた。
ひかるくんはルックスも頭もいいため、よくモテるらしい。
らしいというのは、かっこいいとは思うけど私はあまりタイプではないからだ。
あと女の子に対してだらしないといい噂を聞かない。
｢うっさい。てかあんた全然合わせ練習来なかったけど本当に大丈夫なの？Aのピアノと合わせる時にずらしたりしたら許さないからね｣
えみちゃんはその噂を私に教えてくれたのもあり、彼女も被害にあいかけたらしいのでその対応はすごく悪い。仕方ないけど。
｢俺がそんなことするわけないじゃん？｣
｢A〜。さっさと始めちゃって｣
｢お前サックスそんなとこに置いとかねえでなんとかしろ｣
エレクトーンに寄りかかってくるひかるくんの足を蹴りながら言ったのは御影くんという、全身黒い格好をしている男の子である。
彼の担当はドラム。大人しめだが、ドラムを叩き始めると人格が変わることで有名だ。
｢ちっ……御影くん。わかったよ｣
｢A、弾くならゼルダにしてよ。聞きたい｣
舌打ちしたひかるくんにさらに蹴りを入れた御影くんは、わくわくしながらリクエストしてきた。曲をゲームにしようと言って1番嬉しい反応してくれたのは御影くんである。めちゃくちゃゲーマーらしく、ゼルダの新作を弾いて欲しいと土下座されたのが3日前。
披露するのは実は今日が初めてである。
頷いて、椅子に座った。
そして、曲をかける。
深呼吸して、リズムがかかったエレクトーンの鍵盤と、ベースのところに足を置いた。
✱
｢相変わらず耳コピからの再現力えげつねえな｣
｢2日で仕上げたらしいよ。講義中も楽譜起こしてて笑っちゃった｣
｢ほんとにすげえよなぁ。しかもかわいいし。乗り換えよっかなぁ｣
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです！ (2019年11月21日 18時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました！キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね！ (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2019年11月10日 20時
