36話 ページ36
｢そ、そんなに怒ることですか？｣
あまりにも電話の向こうが怖すぎて思わず聞いた。
『……怒るって言うか、』
そこでキヨさんは珍しく言葉を詰まらせた。
その続きが気になって、耳をすませる。
しかし、彼は答えてくれなかった。
はぁ、と代わりに聞こえたのはため息である。
『いーや。とにかく、土曜日夜な。あとさ、俺の実況仲間も呼んでいい？』
｢えっ｣
急な展開にびっくりする。
キヨさんの実況仲間と言えば、定期的に複数で実況を撮っている時に現れる人達だろうか。
『うん。実はそいつらと動画撮ったあとに、お前のコンサート覗いて、焼肉行くつもりだったんだよね』
｢そ、それは………申し訳なさ過ぎますよ。ってえ？！私のコンサートに来るんですか？｣
『だって誰来てもOKって言ったのお前じゃん』
｢そ、それは………｣
確かにいいと入ったけれど、と額を抑えた。
キヨさんと実況活動をしてる人は、みんな名の知れた人だ。彼らと私が交流なんて深めたら炎上が目に見える。
何かあった時に叩かれるのは私である。
『……だめ？どうしても嫌なら別に行かねえけど』
『ただ、悪いやつじゃないし、友達を紹介するって言ったから、いい機会かなと思って。野郎ばっかりで申し訳ないんだけど』
少し申し訳なさそうな声で言ってくる。
そして、キヨさんが本当にこの間言ったことを実行しようとしていることが分かって、じわじわと胸が温まる。
とても、嬉しくなってしまった。
｢……男の人がいる空間は諸事情で慣れてるので大丈夫ですよ。あと、コンサートの件も来てもらって大丈夫です｣
『ほんと？』
嬉しそうな声に、切り替え早いなぁと苦笑する。
｢はい。ちなみに、実況ではどんな名前で活動してらっしゃる方ですか？｣
『よかったー！えっとね、レトルトと牛沢とガッチマンって名前で活動してるわ』
｢わかりました。コンサート、頑張りますので楽しんでいってくださいね。3時間ありますけど、大人向けは1時間くらいやるので、5時くらいに来てくれると楽しめると思いますよ｣
『わかった。何かと顔隠したりする変な集団いてもびっくりすんなよ』
｢ピアノ弾いてるので気づかないかもしれませんよ｣
キヨさんが来るなら、少し曲をゲーム寄りにしてみるのも面白そうだ、と頭の中で曲の変更を考えてみる。
せっかくなら、彼らの実況してるゲームの曲を弾いたら、びっくりしてくれるだろうか、とキヨさんと電話しながら密かに思った。
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです！ (2019年11月21日 18時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました！キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね！ (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2019年11月10日 20時
