戦争屋、分裂中におき。 (ページ49)

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時刻が午前二時半を越した頃。既に疲れきった三人は、電気をつけたまま床に伏していた。その静かな空間には、三人分の寝息が響く。

一人は、仲間が再び戻って来てくれた事により、最近では見かけなかった高めのテンションで操作をする。
一人は、そんな彼をサポートしつつ謎を解き、時に仲間を褒めまり、また時には、辛辣なツッコミを挟む。
一人は、ずば抜けた頭脳で裏から彼等を支え、時に表に立って助言を入れては再び影に戻るを繰り返した。

ふと、その内の一人、家主が起き上がる。寝つけてはいたが、明るさに脳が刺激されたのだろう。目を擦りつつ上半身を起こし、少ししてからふらついた足取りで電気を消しに向かう。パチと音がして、照明が落とされ、部屋はたちまち暗闇の中へ。そして、その場に立ったまま少しずつ目を慣らし、周りが見えるようになった頃にはソファに仰向けになっていた。

「…今日は、…いや、昨日か？」

どうやら、深夜に始め、少し寝ぼけているという事もあり、日付感覚が少し狂ってしまっているらしい。

「…まぁ、どっちでも、ええわ…たのしかった、なぁ……。」

再び閉じかけている瞼をうっすらと開け、彼は小さく呟いた。本当に充実した時間だった、と静かに心の隅で快く思う。

「……っふ。ふたりとも…ありがとぉ、なぁ……。」

どこからか小さく時計の針が聞こえるような程静かな部屋で、床に未だ眠っている二人を追うように、彼もまた意識を遮断した。

「俺等も楽しかったで」
「久々に楽しそうなコネシマさんも見れましたしね。」

そう密かに囁き合うように返事をしたのは、先程まで寝た振りを続けていた二人であった。もう既に暗闇に慣れていた目を開き、彼の元へ歩み寄る。そこへ座り込み、また目を閉じる。
彼が二人に感謝したように、二人も彼に感謝をしていた。
彼がその事を知るのは、きっと、数時間後、今日の朝だろう。
二人は、ソファにもたれかかるように身を預け、再び夢の世界へ誘われるように意識を落とした。